若菜 その二七四
光源氏がお粥などを食べているほうに目もくれず、
「でも、いくら何でもあのお手紙ではないだろう。まさか、そんな迂闊なことをなさるはずがない。あれはきっとお隠しになられたにちがいない」
と強く思おうとする。
女三の宮は何も気づかず、まだ寝ている。光源氏は、
「何という他愛のなさか、こんなものを無造作に散らかしておいて私以外の人にもし見られでもしたらどうなったことか」
と考えるにつけても女三の宮の人柄を見下げて、
「だから言わないことではない。まったく思慮深さに欠けたお人柄をかねがね案じていたのだ」
と思うのだった。
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