若菜 その二三六
祈祷の阿闍梨たちや夜通し詰めている僧の中でも側近くひかえている高僧たちは皆光源氏がこれほどまでに取り乱している様子を見るにつけ、とてもいたわしいのでさらに心を奮起させて祈祷させる。いくらかでも快方に向かう様子を見えるときが五、六日つづいたかと思うとまた重態になって悩む容態がいつ果てるともなくつづいた。そうして月日が過ぎてしまったので、やはりこれからどうなるのかと治らない病気なのかと光源氏は悲しむ。
物の怪などが名乗り出て来るものもない。病気の様子はどうこがどう悪いというものでもなくて、ただ日一日と衰弱がつのる一方のように見受けられる。光源氏は心から切なく耐えがたく思う。まったく他のことには心を配るゆとりもないのだった。
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