若菜 その九十一
その後は始終手紙のやり取りがあるようになり、風流な遊び事のある折にも仲良く手紙で誘い合わせている。
世間の人々も困ったことにこうした高貴な身分の人々のことは噂したがるものなので、初めの頃は、
「紫の上はどんな気持ちでいらっしゃることやら」
「光源氏様の寵愛もとてもこれまでと同じとはいかないだろう。少しは衰えることだろう」
など噂していたのに、むしろ前より一段と光源氏の寵愛が深くなって、女三の宮を迎えてから、かえってまさる様子だ。それにつけても今度はまた女三の宮に同情していろいろ穏やかでない噂をする人々もいるが、二人がいかにも睦まじい付き合いをするので、嫌な噂も立ち消えてしまって、万事円く収まっていくのだった。
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