梅枝 その十八
東宮の元服は二月の二十日過ぎに行われた。とても大人びているので、身分の高い歴々は競争で姫君たちを入内させたいと望んでいる。ところが光源氏が明石の姫君の入内について並々でなく熱心なので、かえって競争しないほうがましだろうと左大臣なども思いとどまったという噂だ。それを聞いた光源氏の大臣は、
「それはとんでもないことだ。宮仕えというものは、大勢のお妃たちがお仕えして、その中で少しでも魅力を競争し合うのが元々の筋道だろう。こんなことで多くのすばらしい姫君たちがみんな家に引き籠められてしまったら惜しい話だ」
と言って、明石の姫君の入内を延期した。明石の姫君の入内のあとで順々にと入内を差し控えていたのだが、光源氏の大臣のこうした意向をそれぞれ聞いて、まず左大臣の三の君が入内した。麗景殿と言うのだった。
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