真木柱 その二十七
北の方のところでは、毎日加持祈祷などして大騒ぎしているが、物の怪がうるさく現れて、罵りわめいていると聞くので、そのうちあられもない不面目なことでも起こり、恥をかかされるようなことも必ずありそうだと、髭黒の大将は恐ろしくて寄りつけない。
邸に帰るときも、北の方とは離れた別の部屋にいて、子供たちだけを部屋に呼び入れて会う。姫君が一人、十二、三歳ほどになっているほかに、つづいて男君が二人いる。
ここ数年ほどは夫婦仲もしっくりしないときが多いようだったが、何といっても北の方はれっきとした本妻で、ほかに肩を並べる人もなく、これまで過ごしてきた。その北の方がこうなっては、もうおしまいだと考えるので、仕える女房たちもとても悲しくてならないのだった。
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