行幸 その三十六

「あの人が、いつでも大好きで、『唐衣』を使われるので、こちらもその真似をして大変真面目に詠んだのですよ」



 と見せると、玉鬘は、とても美しく匂うように笑って、



「まあ、お気の毒な、これではからかっていらっしゃるようですわ」



 と、当惑している。


 これはどうも、つまらない話をついたくさん書いてしまったようだ。

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