行幸 その七
その翌日、光源氏は玉鬘に、
「昨日は帝を拝されましたか。あの宮仕えの件については、お気持ちが惹かれましたか」
と便りを出した。白い色紙に、とても打ち解けた手紙だが、いつものように恋心をこまごま訴えてもいないのを玉鬘はかえって興深いと見て、
「まあなんて変なことをおっしゃるのかしら。私には関係ないことを」
と、笑うものの、よくまあ、こちらの心の中をそこまで見通しになるものと思った。返事には、
うちきらし朝ぐもりせしみゆきには
さやかに空の光やは見し
「昨日は何もかもすべてぼんやりしておりまして」
と書かれたのを、紫の上も見るのだった。
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