行幸 その六
光源氏も今日のお供をするようにと、前々から帝の沙汰があったのだが、物忌のために奉仕できないことを言ってあった。蔵人の左衛門の尉を勅使として、雉の柴の枝につけて、光源氏に賜った。
その折の帝の手紙には何とあったか、そのような折のことを、つぶさに書き記すのもわずらわしいことだ。
雪深き小塩の山にたつ雉の
ふるき跡をも今日はたづねよ
太政大臣が、こうした鷹狩りの行幸に、お供した前例などがあったのだろうか。光源氏は恐縮して使いをもてなした。
小塩山みゆきつもれる松原に
今日ばかりなるあとやなからむ
と、その当時聞いたことを、ほんの少しところどころ思い出している程度なので、聞き間違っているかもしれない。
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