行幸 その五
いったいどうして男の顔が、化粧を凝らした女の色艶に似るわけがない。とてもそんなことは無理な注文なのに、まだ若い玉鬘の心では、髭黒の右大将をすっかり見下すのだった。
光源氏が思案した末、オススメする宮仕えの一件を、
「どうしたものかしら。宮仕えはどうも気が進まないし、見苦しい結果になるのではないかしら」
と、気後れしていたが、帝の寵愛を受けるなどということとは関係なく、ただ普通の奉公として帝のお目通り願うのだったら、それも楽しいことだろうと気持ちが傾くのだった。
こうして帝の行列は大原野に到着した。御輿をとどめ、上達部は幔幕で囲った仮屋の休憩所で食事をし、装束を直衣や狩衣に着替えたところに、六条の院からお御酒や果物などが献上されたのだった。
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