玉鬘 その四十五
光源氏は寝るので、脚を揉ませるために右近を呼んだ。
「若い女房はこんなことは辛気臭がって嫌がるようだ。やはり年寄りは年寄りどうしこそ気が合って仲良くしやすいものだね」
と言うので、女房たちはくすくす笑っていた。
「あらそうかしら、誰だって、親しくお使いくださるのを嫌がるものですかねえ。変な御冗談でおからかいになるから、それが困るのですよね」
などと皆で言い合っていた。光源氏は、
「紫の上も、年寄り同士が仲良くしすぎたら、やはりご機嫌を損じるだろうよ。嫉妬など焼きそうもない御気性とはとても見えないから、危ないものだ」
など、右近にひそひそ話して笑った。その様子がとても魅力的で、この頃では冗談をわざと言って人を笑わせるような愛嬌も加わっていた。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録(無料)
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます