第66話 柊登場
今回のバカ問はスピンオフではなく久々の本編です、しかしどこから読んでも面白いの基本はかわらないのでご安心してお読みください。
・
「なぁナナシ、このカレンダーの二重丸ってなんだっけ?」
「えーと誰かの誕生日じゃーないですよね」
「バカお前が書いたのか?」
「いや違うぞ」
カレンダーの今日に書かれた○、これは一体なんなんのかと思い出すとの出来ない一同。
「あっ、あれじゃないか柊」
エビフライさんが何か言うとチュウ、ナナシの脳内にその言葉が引っかかったらしい。
「・・・・・あっ!もう8年か」
「そうですよ!!」
会話に追い出された者たち三人。
「えっ、柊って何?誰?」
「そうかお前らはあったことないのか、最後に登場したのは8年前だからこの小説も連載が始まってないものな」
「その人がここに帰ってくるんですか?」
「いやまぁそうなんだけど、とりあえず説明しよう」
・
とりあえず全員着席し、ちゃぶ台に集結した。
「これが柊だ、まぁ8年前の写真だが」
「へー」
見た目は普通、ということはそれ以外が異常ということが全員わかっていた。
「こいつは8年間眠り続けていてな、今日起こしに行くんだ」
「「「???????」」」
「ほらいるだろう、三年寝太郎とか日暮とか何年も寝続ける男そういう類の男なんだこいつは」
「というとなんだその人もなにか特殊能力が」
「いやない」
がくっ
「こいつは時間に正確な男でな、8年きっかりに起こさないと大暴れするんだ」
「俺とチュウ2人がかりでもかなわないほど凶悪な力持ちになる、寝ている間力溜めをしているみたいなんだ」
「たちの悪い話ですね・・・・・」
「その人働いたりしなくていいんですか?」
「宝くじで特等を当ててな、会社をやめたんだよ、でやることがなくなったといって寝始めたんだ」
「最初は一週間ぐらいだったが、一か月、一年と増え今や8年に一度の男になったんだ」
「で、その男を起こす日が今日なんだ」
「えっ、その日は今どこに」
・・・・・。
「どこだ?」
「なにせ8年前ですからね」
「思い出せん」
ここの古株チュウ、エビフライ、ナナシの三人ともがわからない。
「そうだ!ノッポさんならなにか知ってるかも!」
「なるほど、でも連絡先は」
「海外だから手紙だと間に合わないぞ、携帯は?」
「あの人将にあわないとかでもってないんだ、向こうついてから電話もないし~」
一筋の光は凄い勢いで暗闇に閉ざされた。
「そうだ!思い出したぞ!!」
「本当かエビフライさん」
「ここだ」
真下を指さす。
「?この家にいるということか?でもそんなのいくらなんでも気が付く」
「違う地下だ」
「地下?」
「そうか!!」
チュウが言うにはこの家には地下があり、そこに柊を寝かしたのだという。
「そういえば探すのが面倒くさいから家にしまっておくことにしたんだったなぁ~」
「というかそのために地下作ったんじゃないでしたっけ?」
そんな笑い話しながら地下の入口へとやってきた。
「開けるぞ」
鋼鉄のドアを引き上げると梯子が現れる。
「本当にあったな」
「いくぞ」
梯子を下り電気をつける、するとそこには、バカロボがいた。
「お前らなにやってんだ?」
「タダイマ、ジュウデン、チュウ」
「ミギニオンナジ」
「こいつら最近見ないと思ったらここを住処にしてたんだな」
そこは生活感あふれる部屋が広がっていた、ソファー冷蔵庫掃除機最新家具家電が勢ぞろいしていた。
「今思ったんだけど、こんな明るい部屋で寝ていられるのか?その柊って人は」
「えっ・・・確かにもう起きているかもしれん」
「とりあえず探してみましょう、ええ」
地下の奥へと向かう、奥に向かえば向かうほど暗く・・・ならずむしろ明るくなっていく。
「あいつらどこまでこの部屋を改造および使ってるんだ?」
「おいあれ」
バカが見つけたのはカプセルだった。
「もしかしてこれか?」
「だった気がする」
カプセルは人一人が寝転んで入れるくらいの大きさであり、顔の部分には顔が見えるように透明になっていた。
「うん、柊だ」
「おもったより髭や髪は伸びていませんね」
「それすら力に変換しているんだきっと」
「とりあえず起こすぞ」
カプセル横についているボタンを押すとカプセルが上方向に開く。中から冷気が出てくる。
「おら柊時間だ」
「ZZZ…」
「まだ寝るのか」
「とりあえず上に運ぶぞ」
・
「おい、あと5分で今日が終わるぞ」
「ああ、起きなかったな」
「仕方ない、証拠写真を撮ってまた寝かせよう」
柊と肩を組み、写真を撮る。
「じゃあな、8年男」
「ホントに不思議な人」
「次は16年後でも大丈夫かもな」
つづく
となればよかったんだけど、
「チュウ!貴様、起こさなかったな」
「げっ!柊!起こしたぞ証拠の写真もほら」
「捏造だ!ゆる・さん」
「まずい、バカ逃げるぞ、他のもだ」
しかし30分後全滅するバカ問メンバーの姿がそこにはあった。
「どーして平和に終われないのかなぁ・・・ガクッ」
今度こそつづく
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