第65話 殺し屋バカ問

例によって今回もパラレルワールド設定です。本編とは関係ないのでご了承ください。

20XX年、裏東京。

東京は表のネオ東京と裏の裏東京に分断されていた。今回はその裏東京にある雑居ビル四階のとある店の男女の物語である。

大抵のことはやります チュウの店

という看板が垂れ下がる店に今日も一人客人がくる。

「いらっしゃい」

「お待ちしておりました」

「・・・どうも」

 小太りの男は帽子を取り挨拶をする、出迎えたのは女と男。

女の方は落ち着いた様子のまるで忍者のような女で男のほうはまるで武士のような風格があった。

「ここ何でも屋、いえ殺し屋チュウさんの店で間違いないですよね」

「ああ、そうだ」

 カーテンの向こう側から声がする、そうその男こそ・・・。

「私が戦田ヶ原チュウだ」

「あっ、あなたが」

「そうだ、そして誰を殺してほしいんだ」

 男はチュウさんらにここに来た訳を話始める。

「なるほど子供をねぇ」

 なんでも今回の依頼人は息子を殺された恨みを晴らしてほしいとのこと、一週間前に息子を有かいしたという電話が届き、金を用意するも逃げられ、それを何度も行われそして今日、息子の遺体が入った箱が送られてきたという

「なかなか悪趣味な話だ」

「私は嫌味な言い方ですが金はあります、だからこそ犯人にいいように操られ息子までも・・・お願いします!!私の、息子の敵をとってください!これは前払いの金、成功すればこれの倍差し上げます」

 持ってきていたトランクの中には札束が入っていた。それを見てチュウはこう答えた。

「私が守銭奴のように思われているのかもしれませんがまぁいいでしょう、おきひ受けいたします」

「ありがとうございます」

 男は目じりに涙を浮かべ、お辞儀をした。

「情報屋竹すぎから買った情報によると、最近誘拐を行う組織、会社のようなものがあるらしい」

「犯罪株式会社か」

「今回は俺とエビフライさんの二人を特攻体長とし、ルート敵情把握をナナシとヨメイドに頼む、いいな」

「「はい」」

 こうして何でも屋の皮を被った殺し屋、チュウさんたちの仕事が始まった、彼らはこれからけして探偵や刑事のように犯人の居場所をいろんな人に聞き込みをして割り出すのはなく己の足と感のみで動く、それも相手に悟られずに、それがこのお仕事である。

「とはいうものこれ結構大変なんですよねぇ~」

 愚痴をこぼすナナシのもとに連絡が届く(チュウさんたちは特殊な回線を使った無線機で連絡を取る、そのため必ず服のどこかにそれを入れるためのポケットがある)

「はいこちらナナシ、以前変わりはないですが?」

「こちらチュウ、組織のことがわかったので伝える」

 ナナシの足が止まり、聞く体制になる。

「組織の名前はミミズ、ここ何件かあった事件を元にそいつらのアジトをヨメイドが割り出してくれた、早速二人で向かってくれ」

「OK」

 ピッと無線の電源を切る。

「まーたヨメイドさんにお株とられちゃった感じ」

 そんな文句もこの町も暗闇に包まれ消えていくのであった。

「で、報告を聞こうか」

「はい、確かに複数人の人がいましたが依頼人の探している人物かどうかまでは」

「とにかくそいつらはこの町にあっていてもこの世界からは駆除しなければならない、エビフライさん行くぞ」

「おう」

 特攻役である2人がついに動く、二人はミミズと呼ばれる組織がいるビルへと乗り込んだ。

「おじゃましまーす」

「なんだお前ら!!」

「動くな、お前らこの写真の奴を知っているか?」

 依頼人から借りた写真を見せる。まぁ見せたところで

「だったら?」

 と返されるだけなのだが、そしてチュウの逆鱗に触れるだけな訳で。

「おい、チュウ、俺の出番を取っておけよな、来た意味がなくなる」

「だってよぉ、おいつら俺の質問に答えないからよぉ~」

「なんなんだお前ら」

「で?どうなんだこの写真の子ともを殺したのか?」

「・・・・・ついてきな」

「「?」」

 この組織の幹部らしき男につれられビルの別の階へと向かうことに

「エレベーターは壊れているから階段でな、ついでのオレらの話をしておこう、前庭がなければ会話にならない気がするからな」

「どういうことだ?」

「まぁ聞いてくれ、すべては二週間前の話だ、俺たちミミズは元々闇オークションとかで世間で手に入らないものを販売したり、転売行為を行ったりとミミズのように地下で生活する組織だった、しかし突然あの人が来て俺たちに取引を持ち掛けてきたんだ」

「取引?」

「俺たちを儲けさせる代わりに実験に協力しろと、最初断ろうとしたけど俺は他の社員たちを説得した、別に金が欲しかったわけじゃねぇ、そいつのオーラがやばかったんだよ」

「それはまた、でその取引相手というのは」

「この部屋にいる」

 階段を上がり5つほど上のフロアへとやってきた、立て付けの悪そうなドアを開けるとそこには取引あいての男がいた、そう写真の男である。

「薄々そんな気はしていたぜ、死んでいなかったんだな」

「ああ、その方が行動しやすいと思って」

「教えてもらおうか、その実験とやらを」

「なぁ~に人はどこまで金を払えるかってのと愛情のチェックだよ、実際俺の父さんはあんた達殺し屋に依頼してくれた訳だし」

「クソガキが、なるほどオーラどうのこうのというより会話が成立しないことをわかっていたんだな、あいつは」

「それじゃあ帰ろうか、おうちに」

 その後依頼人がきてチュウは狂言誘拐の一種ですよと伝えた、二人は納得したらしく車に乗り帰っていった。

「結局あのバカ息子に振り回されただけだったという訳か」

「ああ、でもこの対価は大きいぞ」

次の日二人の乗った車が事故にあい2人は死んだ。もちろんその原因は。

「おつかれ」

「あまりを俺を呼ばないでくれ」

「そう言うなスナイパーバカ、あいつらは俺の時間を奪った大罪人だ」

「かってにしてくれ」

 何でもやチュウさん年中無休 対価はその者の命で払う。

                            終わり

                         バカ問はつづく

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