第465話一遍上人語録 別願和讃(3)

過去遠々のむかしより 今日今時にいたるまで


おもひと思ふ事はみな 叶はねばこそかなしけれ


聖道・浄土の法門を 悟りとさとる人はみな


生死の妄念つきずして 輪廻の業とぞなりにける



哀しいかな、遠い過去より今日今時まで、何一つ自分の思い通りになったことはない。

自力で修行して悟りに至る、あるいは阿弥陀如来の本願で浄土に往生する

それで悟り悟ったとする人は、生死の妄念は尽きることがない。

結局は、また苦しみの輪廻から逃れることはできない。


どこかに阿弥陀如来に頼むと言いながら、どこかに自力救済を誇る気持が消えない限り、生死の妄念は残ると言うのだろうか。

一遍上人の言葉は、奥が深い。

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