禅

第419話石仏の話（４８）人の心

やはり草茫々の所に立つ石仏と、しっかり手入れしてある所に立つ石仏を比べてみると、きれいな方がいいなあと思うのが人の心だと思う。

仏としては、とやかくは言わないのだろうけれど、拝んだり見たりする人のほうが気になる。

周囲に生い茂ってしまった草を雑草とは考えない人もあるけれど、きれいにしてあげないのも、結局は自分自身の忙しさとか面倒臭さに起因する。

「そんなことやっていられない」から、それでも、いろいろと時間をかけても考えて、「少しでもやってみよう」に、心が変化する時、人は前に進む。

石仏の周囲の雑草を抜く人は、そういう心の整理がついているのだと思う。