第405話石仏の話(35)石仏を真似する猿?
以前、猿が出没する地域の人と話をしたことがある。
やはり猿が出るくらいなので、山間部に住む人だったけれど、その人が言うのには
「とにかく畑の作物を食い荒らしてしまう」
「あっと思うと、家の台所にまで入ってきて冷蔵庫も開ける」
「捕まえようとしても、動きが早いし、下手をすると襲い掛かってくるので本当に困るし、恐ろしい」
なかなか困っている様子が伺える。
「それで、駆除してもらいたくて猟銃を使える人に頼むけれど、それも難しいことがある」
「猟銃を使える人が言うのには、『何しろようやく見つけて、猟銃を構えると手を合わせて、こっちを拝んでくる、そうなると撃ちづらくて』ってね」
猿も石仏の真似をして、手を合わせるのだろうか。
動物愛護団体の人に、この話をしたら、「とんでもない、生き物を人間の都合で撃つなんて、しっかり対策を考えるべき」と怒っていたけれど。
その動物愛護団体の人の家には、猿は入ってこないから、そう言えるのだと思う。
動物愛護団体の人に、「猿対策を考えて欲しい」とお願いしたら、「お門違い」と断られてしまった。
それにしても猿に合掌されれば、確かに猟銃は撃ちづらいと思う。
猿も石仏の真似をしたのだろうか。
結局なかなか、対策は難しいようだ。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録(無料)
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます