第396話石仏の話(26)くずれかけた地蔵尊

くずれかけた地蔵尊、長年の風雨に耐えてきたのだろうか。

それでも、「願掛け」の意をこめて、「よだれかけ」を首から下げ、新しい花が備えられている。

見た目がどんなであっても、御仏は御仏。

絢爛と輝きながらも秘仏とされて見ることができない仏と、実は何ら価値は変わらない。

それを感じるかどうかで、崩れ落ちた地蔵尊に手を合わせられるかどうかで、人間の器量も異なってくるのかもしれない。

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