第344話歎異抄 たまたまなにごころもなく
(原文)
たまたまなにごころもなく、本願に相応して念仏するひとをも、学問 してこそなんどいひおどさるること、法の魔障なり、仏の怨敵なり。
みづから他力の信心かくるのみならず、あやまつて他を迷はさんとす。
つつしんでおそるべし、先師(親鸞)の御こころにそむくこと を。
かねてあはれむべし、弥陀の本願にあらざることをと、云々。
(意訳)
巧まずして純心に、本願の教えにそって念仏する人に対して
「学問をしっかり修めてこそ、往生することができる(念仏するだけで学問をしないお前は往生ができない)」と言い脅かすことなどは、仏法を妨げる悪魔の所業であり、御仏に恨みを持つ敵となる行為なのです。
そういうことを言う人は、その人本人が他力に対する信心に欠けているばかりではなく、誤って他人を迷わせるのです。
私達は、心を引き締めて、親鸞聖人の御心に背かないことです。
さらに、中途半端に学者ぶって、阿弥陀仏の本願に背くことを、悲しく思うべきなのです。
※「たまたま」は「巧まずして」として訳しました。「偶然」と訳すと意味が異なると考えました。
「念仏をしても学問が出来なければ、往生ができない」
阿弥陀の名を唱えれば、どんな人でも救うという、阿弥陀の誓願、約束とは全く異なる考えである。
学問は学問に過ぎず、お布施はお布施に過ぎない。
大切なことは、他者にやさしいこと(利他)、それを外して仏法はない。
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