第309話歎異抄 しかれば本願を信ぜんには

しかれば本願を信ぜんには、他の善も要にあらず、念仏にまさるべ き善なきがゆゑに。悪をもおそるべからず、弥陀の本願をさまたぐ るほどの悪なきゆゑにと云々。


そういうことであるので、阿弥陀の本願を信じるためには、念仏以外の善は何一つ必要ではない。

その理由は、念仏に勝る善が存在しないからである。

悪もまた、当然ではあるが、怖れる必要は全く無い。

阿弥陀の本願を妨げるような悪は存在しないからである。


念仏は阿弥陀如来が考えた行為である。

そのために、人間世界の常識を越えている。

善人であっても、悪人であっても、念仏さえすれば即時に阿弥陀如来に摂取される。

そうなれば、それ以外の善は不要であり、悪も怖れる必要はない。


それを信じて念仏をした時点で、何故かホッとするのは自分だけだろうか。

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