第八部完(ええ加減ネタが尽きて来たのでそろそろ休止する可能性)
夕日が沈んでいく砂漠。
何処までも広がる広大な大地が、ふと。
陥没した。中から「ぎゃー」だの「死ぬー!?」だの悲鳴も広がる。
それはどんどん広がり、やがて落ち着いたころ。
砂の中に、大きな穴がぽっかりと姿を現した。まるで地の奥底まで通じているのではないか、と思える深さ。
まず、顔を出したのは、女だった。
馬の下半身を持ち、鍛え上げ荒れた体。髪は両側でまとめている。凛々しい顔立ちと言ってよかろう。
いや、それを顔を出した、と言っていいものかどうか。何故ならば彼女の首は、胴体と別たれていたから。自らの生首を抱えていたのである。
女人馬。吟遊詩人の手によって
彼女は荷物を背負っていた。ひとつはランプ。馬の下半身に括り付けられたそれは、奪還した一族の宝物である。
そしてもう一つ。
ぐちゃぐちゃにつぶれた遺体。その首より下側を、彼女は運んでいた。
さらに、自分の首を抱える腕の反対側にはもう一つの生首。蠱惑的なそれは褐色の肌を持ち、愁いを帯びた表情を浮かべている。
一見死んでいるようだが、(実際その通りではあるが)彼女は生きていた。女賢者である。
そして、最後に上がって来たのは草小人の吟遊詩人。身に着けていた様々な装飾品は失われていた。
玄室での戦いを終えた彼女らは、長い時間をかけて地上へと戻ってきたのであった。
「うっわ……お日様が赤いや」
吟遊詩人が、地平線の彼方を向いて言った。陽光は人の類に安心を与える。それが魔法使いであろうとも、地の底で不浄なる怪物や闇の種族と死闘を繰り広げていた者からすれば変わりない。
「……ねえ。大丈夫?」
「…ぁ……」「……ぉ……」
首を断たれた仲間たち―――片方は自分で断ったわけだが―――を気遣い、吟遊詩人は声を上げた。特に女人馬は自ら望んだとはいえなりたての
もう、彼女は死んでしまったのだ。
「……ぅ…」
これからどうするか聞かれた女人馬は、どうするかなあ。生き飽きたら祖先の墓に入って自らも
一方の女賢者も心配そうな表情で仲間に視線を向ける。彼女はどうするか、既に決めていた。今回の件の後始末がすめば、また旅に出るのだ。
まあ、しばらくはこの3人での旅が続くのだろう。
一行は、歩み出した。
広大な砂漠へと。
くっ殺から始まるデュラハン生活 クファンジャル_CF @stylet_CF
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