一番おっぱいでかいデュラハンは女賢者で以下、女武者、女戦士…と続き最下位は女楽士(ちなみに一番ちっぱいの女性キャラは多分プーカの童女)
星明りの下を進む一行の姿が会った。
ヴェールの婦人を先頭にした彼らは隊商である。女賢者に元来た道の案内を頼み、女賢者もそれを了承した形だった。
天測しながら進む女賢者。そのヴェールの下の表情は不安、の一言に尽きた。隊商と出会ってから、
そう思った矢先。
「しかし、いくら魔法使いとはいえ、よく一人でこんな砂漠を歩けるなあ」
話しかけてきたのは隊商で最も年若い少年である。子供と言っていい年齢だった。その表情には不安はない。人と出会えて安心しているのだろうか。
「オレは初めて連れてきてもらったんだ。一杯稼ぐつもりさ」
女賢者も表情をほころばせ、少年へと二、三返事した。
そうして会話しながら進んでいると。
「……うん?なんだあれ」
後方より聞こえてきた声。そちらに皆の視線が集中する。
直後。
女賢者は、分厚い肉が貫かれる音を耳にした。それもすぐそばで。
慌てて振り向いた彼女は、見た。今の今まで会話していた少年の胸板を背後から貫く、巨大な甲殻を。
「……げほっ」
痙攣し、吐血する少年。もはや助からぬのは明白であった。
瀕死の彼の向こう側にいる、それを為した甲殻類の図体は、3メートルもある。
―――SHHHHAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAA!
威嚇であろうか。奇怪な音を立てる
それを見て悲鳴を上げ、あるいは武器を構え、あるいは暴れ出した荷駄を抑える男たち。
対する女賢者は剣を抜き放つ。山城にて
縦横無尽に振るわれたそれは、少年を殺した怪物を断ち切った。
落下した少年の肉体からは既に生命の残り香は感じられない。
亡骸を抱き上げようとした女賢者だったがしかし、その行為は中断された。新たな悲鳴が上がったからである。
「ぎゃああああああああああ!?」
各所で上がる絶叫に、敵は一匹ではなかったことを皆が悟った。隊商はいつの間にか、この狂暴な魔獣どもに包囲されていたのだ。
砂の中より現れた
そいつらは一斉に、人間たちへと襲い掛かった。
◇
鉄をも断ち切る剛剣が、怪物へと襲い掛かった。
いともたやすく真っ二つとなる
敵を切り捨てた女賢者は走った。これで終わりではない。敵勢は全方位より来る。呪文を唱えるより剣の方が圧倒的に早かった。
各所では、男たちがそれぞれに剣や槍で戦っていた。
そのうちの一人。二方向より襲われている長の危機を見た女賢者は、手にした武装を投じた。見事貫かれ、地面に縫い留められる一匹。
されど敵はもう一匹いる。このままでは長がやられるであろうことを見て取った女賢者はだから、自らを盾とした。
振り下ろされる尾。その凶悪なとげは、女賢者を貫く直前、静止する。死者は死なぬ。女賢者を殺すならば魔法が必要だった。それも、きわめて強力な。
―――そのはずだった。
とげは自然の法則そのままに振り下ろされ、そして女賢者の肩口を切り裂いた。
―――馬鹿な!?
驚愕のあまり呆然とする女賢者。
その横で長は踏み込み、手にした剣を怪物へと突き立てる。
「大丈夫か!?」
彼は負傷した女賢者を気遣った。
血の流れぬ傷口を隠しながら、女賢者は何とか頷く。
「あんたは下がってろ!」
命の恩人が無事そうだ、ということを見て取った長は、他で苦戦している者たちを救いに走る。
怪物どもを何とか退けることができたのは、これよりしばし後のことであった。
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