323神猫 ミーちゃん、神猫だけに神懸かりなリアルラック持ち?
取り敢えず、床に置かれたエナジーコアに微弱な放電を与えてみる。パチパチとお互いを反発しあうかのような反応があった。
次は、モンスターが死なないけど、痺れて動けなくなるくらいの放電を与える。先程と同じように反発したうえで、エナジーコアから放電に対抗するかのように光り始めた。
「なんにゃ?」
「光ってますね。ネロさん」
「なんか、良くない予感……」
更に、モンスターを倒せる程の強力な放電を与えると、目を開けていられない程の光りを放ちパシッと何かがひび割れる音がした。
「「目が~、目が~!」」
宗方姉弟は目を抑えてゾンビのようにウロウロしている。それは、もうやったからやんなくて良いよ。ペロはとっさに手で目を覆い隠したようで何ともなく、エナジーコアを拾って見ている。
「割れてるにゃ」
ペロから受け取ったエナジーコアを見ると、青銅ゴーレムの中から出てきたエナジーコアと同じようにヒビが入っていた。
エナジーコアはこの世界の電池とも言える存在。このエナジーコアで世界が動いていると言っても過言じゃない。そんなエナジーコアが俺達の世界の電気と反発しているのを見ると、あのポンコツ神様姉妹を思い浮かべるのは不敬なことだろうか?
どう思う? ミーちゃん。
「み~?」
しかし、これでゴーレム無双出来る事が確定した。考えていた事とちょっと違うけどね。この先はガンガン行くぜ!
その前にちょっと休憩。ミーちゃん、ジャーキー食べる?
「み~!」
「ペロも欲しいにゃ!」
「にゃ!」
「僕も欲しいです!」
「私も!」
はいはい、ちゃんと皆にもあげますよ。
「う、旨いにゃ~」
「にゃ~」
「バジル風味のサーモンです!」
「薫製チキンだよ!」
「み~」
ジンさん達にも渡して食べてもらっている。酒飲みて~なんて言ってますが無視です。
ちなみに、このジャーキー、猫用品スキルに新たに加わっていたものです。
ミーちゃんジャーキー チーズカツオ味、バジルサーモン味、グリルチキン味があるよ。食べると体力回復、精神力回復効果あり。疲れた時はこれ! 私の晩酌の友。
って、出ている。私の晩酌の友……ポンコツ神様お酒呑むんだね。味付けはミーちゃん仕様だけあって少し薄味だけど、素材の味が良く出ていてとても美味しい。十分、ご飯のお供になると思う。
また新たなおやつが増えてミーちゃんも満足顔。
皆、休憩を取ってミーちゃんジャーキーも食べたので十分に回復した模様。さあ、サクサク進みますよ。
「これ、どうするにゃ?」
おっと、忘れていました。もちろん、青銅ゴーレムは持って帰りますよ。金属の塊だから、ゼルガドさんに渡せばいろいろ作ってもらえるでしょう。ミーちゃん、収納よろしく。
「み~」
次の部屋はアイアンゴーレムが二体居ましたが、サクッと倒してアイアンゴーレムのオブジェをゲット。宝石等は後で取り出す事にした。
更に奥に行くと銀色っぽいゴーレムが一体居る。ま、まさか銀ですか!? な訳ないか……鑑定するとチタンでした。チタンと言うと俺が持っている銃の素材もチタンの合金だ。非常に硬く加工し難いとゼルガドさんが言ってた。チタンはそれほど珍しい金属じゃないけど、その加工し難さから腕の良い職人じゃないと扱えないらしい。
チタンゴーレムになると正直、普通の武器では手も足もでないとジンさんが嘆いている。
「まったく出番がねぇぜ……」
「ネロ以外皆っす……」
まあ、ゴーレムハンターネロに任せなさい。さっくっと放電。金属は電気を良く通す。すぐにチタンゴーレムの動きが止まった。
「早く僕も雷スキルを覚えたいです」
「あたしもー」
安心しなさい、この迷宮探索が終わったら覚えてもらいます。あの苦行を乗り切らねば覚えられない事は承知しておきなさい。
「み~」
この階層は本当に一本道だったようで、チタンゴーレムの後すぐに安全地帯にたどり着いた。この先をルーさんとレティさんが調べてきたけど、すぐに下の階層に降りる階段になってるそうです。残念ながら、この階層には隠し部屋はないみたい。
「残念にゃ~」
「みぃ……」
ミーちゃん、とても残念そうで安全地帯の壁をカリカリとかいてます。そんな事しても隠し部屋は出てこないよ。それよりご飯にして明日の探索の英気を養おうよ。
「み~」
いつものようにシートを敷いてテーブルを出して料理を並べていく。ジンさんとルーさんが、ミーちゃんジャーキーとエールと騒いでるので出してあげる。レティさんもワインを所望してきた。皆さん飲み過ぎ注意ですよ。
明日からがこの迷宮探索の山場になってくるはず。おそらく、俺の考えではもうすぐ最下層が近い気がする。実際のところ普通のハンターでは、このゴーレム回廊を抜ける事は至難の業だ。こうまでして難易度が高いという事はそれだけ下の階層には来て欲しくないからなのだろう。
途中で会ったこの迷宮の管理者も言ってたように、最下層に行くには大変困難な道のりなのだろう。でも、俺達は運よくこの困難を乗り切ったからね。最下層まではもう少しのはずだ。はずだよね……これ以上の困難になるとちょっと無理かも。
後は俺の幸運スキルとミーちゃんのリアルラックに頼るほかない!
ミーちゃん、頼むよ!
「み~?」
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます