308神猫 ミーちゃん、神猫商会の増員を考える。
ミーちゃんも気に入ったようなのでこの場所を村にしよう。
村にしようと言っても俺が作る訳じゃない、ちょっと事前に準備しておくだけ。基本、村づくりは獣人さん達にお任せ。
村の予定地の少し広いスペースを土壁で囲うだけ、こんな時に土スキルは多いに役立つ。囲った中に街道整備をして出た木材をミーちゃんバッグから出してもらう。まだ、生木に近いのでこうして乾燥させておけば獣人さん達が好きなように加工するだろう。加工する為の道具や大工道具なども用意しないといけないね。初期投資にだいぶかかるけど、香辛料の栽培がうまくいけばウハウハだからね。ガンガンいこうぜ!
「み~!」
内側の土壁の一部に木箱を嵌め込み、その木箱に最後の一枚の転移装置のカードを入れて蓋を閉め更に土で覆い隠す。これでこの場所にも自由に来れるようになった。村がちゃんとできたらお社でも建て、そこにカードを入れる事にしよう。獣人さん達にバレるって? どうせこの場所に獣人さんを連れて来る時転移装置使うのだから気にしない。他の人達にバレると不味いけど獣人さん達とは運命共同体みたいなもの、秘密にしてと言えば大丈夫だと思う。と言うか思いたいね。
「み~」
そのまま転移装置でうちに戻りスミレの世話をしてると、まだ夕方だというのにユーリさんが戻ってきた。
馬車片付けとバロの世話を一緒にしてから家の中に入り、お茶を飲みながら話を聞く。ハンターギルドでの引き継ぎがすべて終わったそうだ。明日からの予定を聞くと、ローザリンデさんに一度故郷に帰るように言われてたそうなので故郷に帰ると言う。
うーん。俺も一緒に行った方が良いのかな? ご両親にユーリさんと婚約した事をご報告しないと駄目だよね。娘さんをください! って土下座するのが定番だよね?
「みぃ……」
あれ? 違うの?
「今回は私用で帰るので、その話はまた後日……。一応、報告はしてきます」
「わかった。じゃあ日を改めてご両親に挨拶に行くよ。でも、一人旅は危険だよ?」
「これでもハンターの端くれです。大丈夫、問題ありません」
「でも、心配だよねぇ」
「みぃ……み~!?」
ミーちゃんどうしたの? なになに、スミレに乗せて行ってもらえって?
「み~!」
確かにスミレなら速いし安全だ。でも、俺やミーちゃん無しで乗せてくれるかな?
「み~」
ミーちゃん、フンスと胸を張って任せなさいって言ってますよ。じゃあ、お任せしますよ?
「み~」
と言う事でユーリさんを連れてスミレの所に来ています。ミーちゃんスミレにスリスリしたりお鼻をくっつけたりたりしてスミレを説得中? しばらくすると、スミレがユーリさんに鼻くっつけた。あたかも、しょうがないわね、面倒みてあげるわって感じでしょうか? 何故、上から目線なんだ……ユーリさん、苦笑いしながらもスミレを撫でながらお願いしますねって言ってた。できた人だ。
まあ、これでユーリさんは安全だろう。カイは残念ながらお留守番。迷宮探索には連れて行けないので、兄弟の居る王宮にでも預けようか? レーネ様なら喜んでくれると思う。明日の午後、ヴィルヘルムから戻ったら王宮に行ってみよう。そうだ、ルーカスさんにアポを取ってもらおう。いつもアポ無しでご迷惑をおかけしてるからね。
「み~」
翌朝、ユーリさんとスミレを見送った後、ヴィルヘルム支店に飛んだ。隣の更地だった場所に建物の基礎ができていたので、順調に進んでいるのだろう。
店の方に行くとまだ朝だと言うのにごった返している。大繁盛ですな、代表。
「み~」
四人も居るので十分に手は足りているようなので、帳簿の回収と確認だけしておく。値段が高いにもかかわらず味噌と醤油の売れ行きが伸びている。個人販売はまだまだだけど、宿屋や食堂などからの注文が多く入っている。それと、味噌と醤油を作っている村からも少しずつだけど、余剰分の味噌と醤油が持ち込まれているようだ。
あと、ミーちゃんこれどうする?
「み~?」
黒真珠が今だに持ち込まれているようだよ。
「み、みぃ……」
まあ、クズ値で買い取ってるからたいした金額じゃないけどね。それでも、もう数えきれない程の黒真珠がミーちゃんバッグの中にある。何に使おうか?
「みぃ……」
朝の忙しい時間帯も終わったので、ドラゴンさん四人と打合せ。
「ベルーナに誰かを連れて行くのか?」
「えぇ、ベルーナに本店となる店を買いましたので、屋台売りをやめて本店での販売に切り替えようと思いまして」
「人族の親子はどうしたの?」
イルゼさんはともかく、カヤちゃんはまだお子ちゃま労働基準法が無いとは言え働かせ過ぎは良くない。そろそろ勉強を始める年頃だしね。
「彼女達だけでは手が足りないので、こちらから補充しようと思います」
「こっちも忙しいから誰か抜けると厳しくなるぞ」
「もう少しすると、二人程ここで働く男女が来ますので帳簿付け以外は自由に使ってください」
「となると、帳簿を付けているクラウディアは除外と言う事でしょうか?」
「そうですね。水スキル持ちに来て頂きたいのでクリスさんかアルベルトさんになると思います。二人のどちらかとアレックスさんの二人でも構いませんが……」
「今の状況では厳しいな。ここに来る二人は即戦力か?」
「スキルは持ってません。実家が商人なので神猫屋ではなく神猫商会の仕事が主となるでしょう」
「お父様に相談してみましょうか?」
烈王さんにお願いしてもう何人か来てもらおうか? それとも水スキル持ちを雇うかだね。正直、情報漏洩が怖い。今の神猫商会は吹けば飛んで行ってしまうような小さな商会。もう少し軌道に乗るまでは信用できる人以外雇いたくないのが本音。
「烈王さんにお願いしに行ってみようか?」
「み~」
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