271神猫 ミーちゃん、クンスカされる。
モフモフ、ムニュムニュ、なでなで、チュッチュッ、クンスカクンスカ。
「みぃ……」
ま、満足したか? カオリンよ。肉球ムニュムニュとチュッチュッは許そう、でもなクンスカってなんじゃ! ミーちゃん嫌がってるじゃないか! ミーちゃんにアロマ効果は無いぞ! ん? もしかしてあるのかな? 後で試してみよう……冗談だよ、ミーちゃん。
「みぃ……」
カオリンのモフモフ成分の補給も終わったので先に進む事にする。マップスキルを確認すると、大きな広場は後三つあるかないかと言うくらいしかスペースが残っていない。一応その事をみんなに伝えておく。
「じゃあ、安全地帯はすぐそこですね」
「ゆっくり休みたいよ~」
「お昼には丁度良いにゃ」
「にゃ」
ミーちゃんクッキーを咥えたレティさんが先行して探り戻って来ると、芳しくない表情をしている。
「次の広場には一体しか居ない。居ないがおそらく上位種だ。少年」
「上位種だと……」
「普通、四階層じゃあり得ねぇし……」
オークの上位種はリーダー、ジェネラル、ヒーロー、キングになる。おそらくリーダーだろうとみんなと話をする。
「上位種はこのパーティーだときついぜぇ」
オークリーダーだと中堅ハンターのパーティー二組は必要と言う事だ。
「やるか?」
「倒さないと先に進めません」
「ハァ……わかった。俺が基本そいつの相手をするぜ。残りは無理せずに攻撃できる時だけ攻撃しろ。良いな、絶対に無理するな。駄目だと思ったら撤退するからな!」
最初の先制攻撃は俺に任せてもらうように言う。
「何か策でもあるのか?」
「雷ですか?」
「雷でしょ~う!」
まあ、ものは試しって事でやってみたい事がある。
相手に気付かれないように近づく。この階層のオークは今の所、広場に入らない限り攻撃してこないのは今までの戦いでわかっている。でも用心に越した事は無いからね。
鑑定するとオークリーダーで、さっきのオーク程ではないけどスキル持ち。でも基礎身体能力はゴブリン二百五十匹分と出ている。半端ねぇっす。体も普通のオークのひと回り大きくデカいの一言。何を食べたらこんなに大きくなるんだろう? ミーちゃん、猫缶も餡子も一杯食べてるのにこんな小さくて可愛いのにねぇ?
「み~?」
オークリーダーは地面に剣を立てて両手を柄の上に置いて微動だにしない、何とも貫禄のあるお姿。そんなオークの豚鼻に懐から白い包み紙を出し中身をフーっと息を吹きかけ大気スキルで風に乗せて送ってやる。
オークリーダーの動きに変化がないので失敗かな? と思った矢先、両手を置いていた剣がカランと倒れる。オークリーダーの顔は何が起きたか理解できないと言ったような驚愕の表情。鑑定するとマヒ状態と出ている。良し効いたね、オークにも十分に効果がある。次行ってみよう。懐から違う色の包み紙を出して中身をまた大気スキルで送ってやる。数秒後バタっと倒れてイビキをかき始めた。寝たね、これも成功っと。
「薬か?」
「ええ、オークにも効くようです」
後ろで見ていたみんなが寝ているオークに止めを刺しに行こうとしたので止める。できれば、もう一つ試したい。
「オークリーダーのお肉って特別だったりします?」
「いや、普通のオークと変わらねぇ。体がデカイ分取れる量が増えるくらいだぜ」
うむ。それならせっかくなのでもう一つの薬を試そう。懐からまた色の違う包み紙を出して中身を寝ているオークリーダーに大気スキルで送ってやる。寝ているのに苦しみ始めた。鑑定すればマヒ、睡眠、毒状態となっている。酷い状態だよ。誰だこんな事した奴……俺だね。
オークは痙攣し始め、のたうち回りたいけどマヒの為動けないと言う拷問のような状態が続き睡眠効果が切れると、視界に入った俺を見て呪い殺してやらんとばかりの目を向け口から泡を出して数分後息絶えた。
これも
「えげつねぇな……」
「ネロ……怖ぇ」
「ネロさんって毒使い?」
「ポイズンマスターネロ!」
「おっ、にゃんか格好良いにゃ!」
「にゃ!」
「すぐにでも
なんとでも言えば良いさ。勝てば官軍なのだ! それから、ポイズンマスターってやめて……更に悪役っぽくなるから。
「みぃ……」
しかし、これでオークにも薬物が効く事がわかった。これで一つ戦術が増える。問題はリーダー以上の上位種にも効くかだね。ゴブリンにも効く事は既に立証済みなので多めに薬を手に入れておいた方が良さそうだ。バザーでもぐりの薬師を探して入手するか、作ってもらうように依頼しないとね。薬師ギルド? そんなの知らないね。
先に進む前に一応オークリーダーも収納しておく、コアは売れるからもったいない。広場を出て少し進むと道が三又に分かれている。一つは五階層に降りる道、一つは安全地帯、最後の一つは行き止まり。行き止まりなんだけど、マップスキルには映っているんだよね、隠し部屋。
取り敢えず、お昼にしようか?
「み~」
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