264神猫 ミーちゃん、モンスターの亜種に遭遇する。
みんなには雷スキルである事を伝える。ミーちゃんの神雷スキルは内緒。
「おいおい、伝説のスキルかよ……」
「ネロ……お前が勇者で良いんじゃねぇ?」
「「やっぱり勇者は雷だよねぇ」」
「習得方法教えようか?」
「「お願いします。ネロ教官!」」
「「マジかよ……」」
「ペロも覚えられるにゃ?」
「にゃ?」
「ペロもセラも覚える事は可能だと思うけど、使いこなすのは難しいかなぁ?」
科学の知識が必要になるからね。高等教育を受けていないと使いこなせないと思う。だから雷スキルを使うのは勇者=異世界人だけなんだろう。
「残念にゃ……」
「にゃ……」
宗方姉弟には雷スキルを覚えさせよう。あの苦しみ、のたうち回った経験を味わってもらおうではないか。クックックッ……。
「みぃ……」
探索を続けていき何度もロングテイルエイプに遭遇するけど、ジンさんが盾役としてロングテイルエイプをあしらっているうちに、宗方姉弟が無難に攻撃して倒して行く。ロングテイルエイプは素材としてはたいした価値はないそうだ。毛皮は良質の防具になるけど、二階層でそれ以上の防具になるロックリザードが居るので売れるのはコアくらいなのかな?
それにしても、三階層は二階層より相当に広い。この分でいくと、下層に降りれば降りる程広くなっていくのかも知れないね。先ずは三階層の安全地帯を探さないと、昼ご飯も食べてないし今日の寝る場所の確保もある。
隠し部屋はまだ見つかってないけど、少しのお金と武器防具は多少見つけている。宝箱に入ってる訳でもなく、無造作に置いてあるので良く見ないとわからない。特にお金は散らばっているので、見逃してきた物も少なからずあるはず。
迷宮に入っておよそ八時間。安全地帯が見つからなければ一度二階層の安全地帯に戻って休もうかと話をした時、後方のセラが唸り声をあげる。モンスターがこっちに向かって来ているようだ。
体制を整えようとした時ルーさんとレティさんからもモンスターが接近して来ている事を告げられる。偶然だろうけど挟み撃ちにあってしまったようだ。ルーさんとジンさん、ペロ組、レティさんとトシ、セラ組を前衛にしてカオリンと俺はその間で両方の援護をする事にする。
前後からほぼ同時にモンスターが現れる。両方とも三体のロングテイルエイプ……と思ったら一体違うのが混ざっている。
ロングファングエイプ ロングテイルエイプの亜種で群れのリーダーとなる存在。と鑑定できた。
「ジンさんの方にロングファングエイプってのがいますので注意です!」
「ちっ、亜種かよ」
群れのリーダーとなる存在と言うくらいだから強いんだろう。迷宮ではない場所で遭遇するロングテイルエイプは集団で襲ってくるモンスターらしく、単独や少数だけで行動する事はない。森の中でロングテイルエイプに襲われたら屈強のハンターでさえ逃げるしかないそうだ。数の暴力だね。
迷宮ではそう言う事はなく、単独か少数での行動だから戦いやすいと言えば戦いやすい。だけど、今回のように迷宮の構造上挟み撃ちになってしまったり、袋小路に追い詰められたりする事もある。どんな熟練のパーティーでもそういった状況に陥ると冷静な判断ができずミスを犯してしまう事になる。
そう、冷静にならなければならない。ロングテイルエイプは動きが素早く攻撃を躱すのが上手い。そのうえパワーで押してくる攻撃力まである。確かに動きは単調だけど、一度に六体も相手をするとなると厳しい。
先ずは、ロングテイルエイプの動きを邪魔する為、レティさん側の前に土スキルで壁を作ってみる。はい、一撃で砕け散りましたね。迷宮の中だと土スキルが思うようにいかない。土が少ないせいなのか薄い壁にしかならなかったようだ。
ならば大気スキルで空気砲はと言うと後衛に居るので前衛が邪魔になり打てません……フレンドリーファイアーになってしまう。水スキルは水がもったいない。となると銃か雷スキルになる。
銃で援護……って、ミーちゃん猫パンチ連打でロングテイルエイプに神雷をぶつけてる……。
「み、み、み~!」
あっという間に三体が沈んだ。俺っていらない子? いやいや、床に沈んだ奴らはレティさん達に任せてジンさん達の援護に回る。ロングテイルエイプをルーさんとペロが相手してロングファングエイプはジンさんが相手をしている。
カオリンがロングテイルエイプ二体にに弓で攻撃して援護しているので、俺はジンさんの援護をしよう。ミーちゃんは疲れたようで肩の上でぐったり気味。レーザーポインターでロングファングエイプの顔を狙うと相当に嫌がっている。ジンさんではなく俺に敵愾心が向いたところでジンさんがロングファングエイプの手足を切りつけたのに、お構いなしに俺に向かって来る。ひぃー!
銃を撃って攻撃、それでも止まらない。なんてタフガイ! ジンさんが俺とロングファングエイプの間に割って入ってくれたけど、強烈な蹴りを受けて多々良を踏んでしまう。おぉー、目の前まで来ちゃったよぉー、銃は弾切れだ……なんてね、俺は冷静だよ。目の前に障害は無い。一発ぶちかましてやったよ。流石に至近距離からの空気砲を受けたので転がり回りながら吹っ飛んで行く。
ジンさんすかさず近寄り渾身の一撃。ロングファングエイプは天に帰りましたとさ。ルーさんとペロもカオリンの援護のお陰でロングテイルエイプにとどめを刺したようだ。終わって見れば圧勝? まあ、半分ミーちゃんが倒したようなものだけどね。
「み~」
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます