迷宮探索に再出発! 迷宮ってなんなんだろうね?
263神猫 ミーちゃん、迷宮探索を始める。
陽も出ないうちにレティさんを連れてクイントに飛び、ハンターギルドで待っているとみんなが現れた。
「スミレにゃんはどうしたにゃ?」
「ルーくんとラルくんも居ないね?」
「あー、私の癒しが~」
スミレもルーくんもラルくんもお留守番です。一度迷宮に入れば二、三日は出てこないからスミレは連れていけない。ルーくんの魅了眼は使えそうだけど、ラルくんのブレスはこの迷宮では使えない。使うと迷宮が壊れて俺達が生き埋めになってしまう可能性があるのでお留守番に決定。ラルくんだけ、お留守番だと寂しいだろうから必然的に仲の良いルーくんもお留守番。みんなを説得するのが大変だったよ。
ジンさんが代表して受付でパーティー申請とギルド証の提示、依頼内容の確認をしてくれている。俺はミーちゃんと一緒に美猫親子に挨拶。パルちゃんはまだウトウトしていて眠たげ。なでなでしてあげると眠ってしまった。
ジンさんの方が終了したので出発、歩いて行っても一時間掛からない場所だ。街の近くだからたいしたモンスターも出てこない、みんなピクニック気分。
「マップ作成はネロに任せて良いんだな?」
「はい、問題無いです」
「斥候はルーとレティで良いな?」
「「当然だな」」
「にゃ」
「セラにゃんもやるって言ってるにゃ」
「それなら後ろは任せたぜ」
「にゃ!」
元々斥候役のルーさんに義賊ギルドのレティさん、気配察知の能力に長けたセラ、ペロも気配察知を持ってるから余程の事がないと不意打ちはないだろう。盾役はジンさん、攻撃はペロにトシ、後の方から弓のカオリンにスキルで援護の俺、ルーさんもレティさんもセラも遊撃可能。とてもバランスのとれたパーティーだね。回復役が居ない? いや、居るでしょう、最高の癒しがね!
「み~!」
暢気に駄弁りながら歩き、迷宮に着くと既に何組かのパーティーが簡易の受付所で手続きをしている。二階層に居るロックリザードは良い防具の素材になるし買い取り額も高いので中堅ハンターにとっては良い狩場と言ってたよね。ゴブリンキングが居なければ、もっと賑わっていた事だろう。
ジンさんが受け付けを済ませて来たので、みんな装備を整える。迷宮の中は涼しいのでコートを羽織る。レティさんもピチピチの服の上から同じようなコートを羽織っている。
「ネロさんとレティさん、サングラスかけたら電脳世界で銃の弾よけちゃいそうですね」
「名前も一文字違いだね。まったりックス!」
カオリン、恐ろしい程のボケっぷり……天然なのかがわからないところが更に恐ろしさを増すよ。
「なあ、今回の迷宮探索の目的はマップ作成で良いのか?」
「それはついでです。本来の目的は宗方姉弟のレベルアップ! そして、迷宮層破ですよ!」
「レベルアップってのは良くわからねぇが、要はこいつらを鍛えれば良いんだろう? それと最下層には何もねぇって聞いてるぞ」
「えぇー、ラスボス居ないんですか?」
「ダンジョンマスターとの邂逅はないの~?」
「最下層は浪漫です! 行ってみたいのです!」
「み~!」
と、ミーちゃんが申しております。はい。
「お、おう。な、なら頑張ってみるか?」
「「「おぉー!」」」
「み~!」
一階層はゴブリン、二階層はロックリザード、三階層はロングテイルエイプ。三階層はルーさんと暗闇の牙のパーティーが探索したけど、ロングテイルエイプの猛攻を受けて安全地帯を見つけられぬまま途中で撤退した経緯がある。マップが無いと探索は相当に大変らしい。
それに比べてうちのパーティーはさっくと最短距離を通って三階層に続く道まで来た。一階層のゴブリンは瞬殺、二階層のロックリザードは狩りに来ている他のパーティーに譲っているのでスルーして来た。
「さてと、ここからが本番だぜ。俺は盾役に徹するからなお前達二人がメインで戦えよ」
「「らじゃー」」
「ロングテイルエイプは動きが速ぇし力もある。但し頭は良くないからな、動きは単純だ。落ち着いて戦えば俺達なら問題ないぜ」
では何故、ルーさん達が探索した時に途中で撤退したのか? それは、ルーさんも暗闇の牙のパーティーもみんな斥候タイプのハンターだったから……盾役になれる人が居なかったんだって。盾役って頭が良くて冷静な判断ができる人が向いてるらしい。盾役に向いた人が居なかったそうです。虎耳のラウラさんは体格的に向いてそうだけど脳筋だからねぇ……。
それでは、出発。ルーさん達が進んだ道とは別の道を行くと、すぐにロングテイルエイプ二匹が索敵に引っ掛かったようだ。こちらに気付いた様子はないようなので不意打ちを仕掛ける事にする。
では、俺とミーちゃんで一発かましてみますか? 一歩前に出て俺がやると自己主張。レティさん以外のパーティーメンバーには初お披露目。行くぜ! ミーちゃん。
「み~!」
痺れ平伏せ! 雷光鞭 神雷バージョン!
通路の角からこちらに気付いていないロングテイルエイプに向け、人差し指と中指を向ける。肩に乗るミーちゃんから神雷が俺に流れて来るのが心地良い。雷スキルを持ってなかったら、俺がアババババ……ってなってるところだけどね。
突き出した二本の指から青白い二本の雷の鞭がロングテイルエイプに向かって伸び、ロングテイルエイプの体全体から青白く光を発し痙攣する。何故か、感覚的にこれ以上やると不味いと言うのがわかるのでそこでやめると、シューシュー煙を出して気絶しているようだ。
「にゃ、にゃんにゃー!」
「な、なんだよ。今の……」
「何度見てもシュールな光景だな。少年」
「うわぁー。まさに悪役ですねぇ」
「格好良い~。私もやりた~い」
横たわるロングテイルエイプにジンさんがとどめを刺し、ミーちゃんバッグに収納。みんな説明を聞きたくてウズウズしてる。
それでは、ご説明しますかね?
「み~」
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