226神猫 ミーちゃん、フリーダム過ぎません?
餅つき大会も盛り上がってくれたお陰で、神猫商会ブースの売れ行きはうなぎ登りのようです。周りのブースも神猫商会のイベントのお陰で売れ行きは好調のようだね。
輪投げのブースは九の鐘が鳴ったところで本日は終了。お子ちゃまはもう寝る時間です。カティアさんがヤン君とカヤちゃんを連れてうちに帰ります。
残りのメンバーは交代で神猫商会のブースのお手伝い。ルーさんはジンさん達の居る場所に行き一緒に飲むみたいだね。ジンさん達は立ち飲みでは無くお金を払って、座れるテーブルで飲んでいる。テーブルの上は食べ物で一杯。たまに見回りと称してペロ達が来て食べ物を強奪していく姿がみられる。
宗方姉弟は輪投げのブースが終了した後、モフモフスペースに行って猫様達をモフっているらしい。ペロ談。
祭りも終了の時間が近くなって来た時に、ハンターギルドの仕事が終わったユーリさんが来て手伝いますと言ってくれたけど、疲れているだろうからジンさん達の所で少しの時間だけでも楽しんでくださいと言っておいた。なのにユーリさんは寂しそうな顔に見えたのは見間違いだろうか?
「みぃ……」
ジンさん達の席にはゼストギルド長にパミルさんも居る。パミルさんはテラを迎えに来たのだからわかるけど、ゼストギルド長も居るのは何故? まあ、時間も時間だけに少ししか飲めないだろうけど。仕事は良いのだろうか?
託児所兼モフモフスペースに行ってみると、託児所の方は既に終わっているけどモフモフスペースは大賑わい。下手をするとこのお祭りで一番賑わっているんじゃないだろうか? と思う程、男女年齢に関わらずモフモフを楽しんでいる。
猫様達はおとなしくモフモフされ、時には抱きしめられている。意外なのはバロ二頭も人気があるようだ。おとなしく愛嬌のある顔だからかな? スミレ姐さんの所も多くのハンターさんらしき人達が集まり、スミレ姐さんに触ろうとしてるけど、レディの体に勝手に触んないでよって感じでスミレ姐さんが威嚇している。スミレ姐さんにはお子ちゃま以外はお触りは厳禁ですよ。スミレ姐さんに蹴られて死んじゃいますよ。
逆に狼四頭は食べ物がもらえるのでおとなしくモフられているけど、普段の凛々しい顔が見る影もなくだらしなく崩れている……野生の生き様はどうした! ペロ、セラ、ルーくん、ラルくんは平常運転。ペロとセラは食べ物がもらえるとお触りOK、ルーくんとラルくんは遊んでもらえるだけで満足。カイとテラは二匹寄り添ってお座りしていて、皆さんに可愛い笑顔で愛想を振りまいています。
そのカイとテラは俺を見るとタッタっと走って来てよじ登ってくる。愛い奴らじゃ。周りの視線が痛いけどね。カイとテラにしてみれば、お姉ちゃんのミーちゃんの所に連れて行ってもらえると思ってるだけだろうけどね。そんな二匹をお姉ちゃんの所に連れて行く。
先ずはお姉ちゃんにご挨拶。カイとテラはミーちゃんにスリスリ、ミーちゃんはペロペロと大忙しです。このほんわかした光景にお客さんもほっこり顔。見てて和む~。
零の鐘が鳴ったところで、本日のお祭りは終了。ユーリさんにはみんなを連れて先に帰ってもらう。荷馬車を商業ギルドの裏の馬車置き場に置いてあるので、それにみんなと猫様達を乗せて行ってもらう。ルーカスさんにはもう一度戻って来てもらう事になる。
お客さんが潮が引くように居なくなると、待機していた商業ギルドの職員さんと清掃の依頼を受けているハンターさん達とで清掃が始まった。俺達もジョッキの洗浄に大忙し。神猫商会のブースの方はイルゼさんが清掃をしてくれている。
一の鐘が鳴る前に何とか終わり、迎えに来たルーカスさんがひく馬車で帰途に着く。スミレ姐さんの世話を念入りにしてからうちに入りお風呂に向かうと、風呂場の前でペロと宗方弟がバスタオルを持って立っている。何をしているのかと思えば、風呂場から濡れた猫様が飛び出してきた。
「ここで毛を乾かさないと、あっちに行っちゃ駄目にゃ!」
ペロが猫様を宗方弟の方に誘導して、宗方弟とペロでバスタオルで猫様をわしゃわしゃと拭いているのだ……当分はお風呂に入れないね。やっぱり、男女に分けた方が良さそうだ。こうして大工さんを呼ぶ事を決めたのだった。
リビングに行くとヤナさんが猫様のブラッシングに勤しんでいる。ジンさんとグレンハルトさんはまた酒を飲んでいて、ローザリンデさんとジークさんはブラッシングの終わった猫様をモフってます。ルーくんとラルくんは猫様と遊んで欲しくて猫様に鼻を押しつけたりしてるけど、猫様にまったく相手にされていない。
そんな中、レティさんが両脇に猫様を侍らせもう一匹を抱いて顔を埋めている。なんか幸せそう。邪魔するのも悪いので見なかった事にする。
セラはお祭りであんなに食べ物を食べていたのに、夜食を食べてます。腹ペコ魔人恐るべし。寝る前に食べると太るよ。セラに睨まれました……。
それにしても、ここはどこ? あまりにもフリーダム過ぎて、俺は立ちつくしてます。どうすれば良いんだろう?
「み~」
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