183神猫 ミーちゃん、カイとテラを連れて帰ります。
ルカとレア、ノアはどら焼きの皮も美味しそうにハムハム食べてる。のに対して、弟、妹から餡子を奪ったお姉ちゃんはルーくんとラルくんの餡子も狙ってますよ。
宮廷料理長のどら焼きを堪能してると、伝令の兵が何度も王妃様の所に来る。
なんとなく聞こえてくる内容からすると、反乱軍は王都の外に逃げ果せたようだ。王都内に残って居た反乱軍の家族などは全員捕えられ、屋敷や財産は差し押さえられたみたいだね。捕まった者の未来は暗いだろう……。
「リッテンシュタインは捕まえたけど、まんまとヴィッテルスバッハは逃げのびたようね」
「追撃はしないのですか?」
「正規兵が揃わない今は無理ね。王都から一日の場所で迎え撃つ事になるわ」
「それじゃあ、その前に行って来ますかぁ」
「そう……十分に注意して行って来るのよ。護衛として同行するようにジクムント殿、グレンハルト殿、ローザリンデ殿には話を付けてあるから朗報を待っているわ」
一旦、うちに帰ろう。まずそれからだ。レーネ様達に挨拶して家に戻る。街の中は思ったより平静を保っている。若干、火事などが起こっていたみたいだ。
「そうですか……襲撃があったんですね……」
「気にするな。少年。義賊ギルドからもこの屋敷に数名護衛が来ていた」
「まあ、夜じゃないからな。それほど手応えは無かったな」
「にゃ」
「みなさん無事でなによりです。今日はゆっくりと休んでください」
ジンさんに会いにハンターギルドに行こう。ミーちゃんを連れてスミレに乗りハンターギルドに向かう。
ハンターギルドに行くといつも以上にごった返している。反乱軍の鎮圧に参加したハンターさん達が中に入り切れず、ギルドの外で順番を待ってる状態です。
なんとかギルドの中に入ると、テラとカイが飛びついて来た。どうやらギルド内のただならぬ様子に不安になっていたみたいだね。ユーリさんもパミルさんも忙しくてテラとカイを見ている余裕がないみたい。
「「みゅ……」」
「み~」
ミーちゃんとテラとカイを抱っこして、ジンさんを探すといつもの所に居た。
「被害はどうですか?」
「街の中が少し焼けたが街の中の住人に被害は出ていねぇぜ」
「それで?」
「反乱軍は三百程倒し二百程捉えた」
「こちらの被害は?」
「まあ、戦いだからな、多少はな……ネロが気にする事じゃねぇよ」
「……」
「それより行くんだろ。準備はできてるぜ」
「……明日の早朝出発します。今日はうちに泊まってください」
「ネロんちに泊まれんのか?」
「嫌ですか?」
「すぐ、準備する」
ジンさん達の準備ができるまでの間、ユーリさんに今日までパミルさんの所に泊まるように伝え、パミルさんにもお願いしておいた。ついでに、この状況化にテラとカイを置いていけないのでうちで預かるとも言っておいたよ。ミーちゃんのお陰でやっと落ち着いたテラとカイを置いていけないからね。
「み~」
ゼストギルド長にも会いたかったけど、ギルドがこの状態では無理と判断してパミルさんに明日向かうとだけ伝言を頼んだ。
表に出ると、ジンさん、グレンハルトさん、ローザリンデさんが馬と一緒に待っていた。
「ジークさんはどうしたんですか?」
「ジークは残党狩りに参加させている。連れては行かんよ」
「残党狩りですか?」
「闇ギルドやマフィアのアジトを襲撃してるのよ~。せっかくだから、綺麗さっぱりしたいじゃな~い」
宰相様の手の者と義賊ギルドとジンさんが最初に集めたハンターさん達とで、掃討作戦をおこなっているそうです。綺麗さっぱりとはいかなくても、大きく力を削ぐ事はできるんじゃないかな。大いに頑張ってもらいたいね。
家に着き、スミレとジンさん達の馬を馬屋に入れる。ベン爺さんも手伝ってくれてみんなで馬の世話をしてから家に入った。
ルーカスさんに今夜、ジンさん達が泊まる事を伝えると、ララさん達が部屋の準備が整うまでリビングでお茶をどうぞと言われたのでリビングにジンさん達を案内する。
ミーちゃんとテラとカイをソファーに下すと、ルーくんとラルくんが寄ってきてテラとカイをペロペロしている。テラはルーくんと久しぶりに会ったので嬉しそう。
「み~」
「「みゅ~」」
「がう」
「きゅ~」
リビングにはペロとセラ、ルーさんにヤン君が居たけどルーさんとヤン君は固まったまま動かない。
「にゃんにゃ? ジンさんうちに泊まるにゃか?」
「お、おう、世話になるぜ」
「立派なおうちねぇ~」
「ネロ君はハンターの才能より商才の方が高いようだな」
「五闘招雷ですね……」
「なんでうちに居るんだよ……」
「明日から少しの間、出かけて来ます。メンバーはミーちゃん、ルーくん、ラルくんです」
「ペロは良いにゃ?」
「にゃ?」
「ジンさん達が護衛についてくれるから、ペロ達はギルドの依頼を受けて良いよ」
「ジンさん頼りになるにゃか?」
「にゃ?」
「にゃ、にゃんこ共……」
グレンハルトさんが苦笑い、ローザリンデさんがクスクスと笑ってます。
ルーカスさんとカヤちゃんが茶を運んで来る。最近、カヤちゃんはルーカスさんのお手伝いをよくしているけど、執事になりたいのかな? 女性執事、なんか格好良いよね。
みんなが席に着いたので、一先ずお茶にしよう。ミーちゃん、ミーちゃんクッキーお願いしま~す。
「み~」
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