これは良い作品。
読めばハードSF、もといSFに必要不可欠な最低限の要素が学べます!
まるで「小説で読むSF入門」。
いや、そりゃ知らない単語は調べなきゃいけない部分もありますが、それをさせるだけの魅力がある良作です。
ただ、やはり硬派なハードSF要素がふんだんにあるので、人は選ぶかもしれません。
けれど出てくる登場人物、設定、展開の運びは不思議で優しく、それでいていい具合に緊張感もあり、ぜひSF好きな方には読むのに挑戦してほしい一作です。
少し気になったのは強調のルビ濁点が多いこと……でしょうか?
もしかしたらそれも一つの味なのかもしれません。
SFの良さを思い出させてくれた作品です。
このフレーズにビビッときたあなた。こんなレビューを見ていないで今すぐこの作品を読むのです。さあ! ページを進めよう!
あるいはまだためらっているあなた。宇宙は狭いなんて思っていないかい? 重力に縛られているなんて思っていないかい? しかしそんなことはない。全てを呑みこむブラックホールでさえも、君は足掛かりにすることができるのだ! そんなSF作品を読んでみたくはないか?
異種族でコミュニケーションが成立するワケがない? うるせー特異点砲ぶつけっぞ! 異なる価値観の衝突が争いしか生まないなんて誰が決めたのだ! 宇宙の広さなめてんじゃねーぞ!
うるさくて申し訳ありませんが、つまり私はこの作品をもっと多くの人に読んでもらいたいのです。
敵を滅ぼすために実弾を撃って、それに対抗するために天体投下攻撃をして、それを防ぐために特異点砲(マイクロブラックホール砲)を作って、その射程が伸びたものを撃ち合う! 火力のインフレが止まらない!!
さらにはエネルギーを質量へ換え余剰分は熱へ変換し放熱する転換装甲と、マイクロブラックホールの蒸発による爆発にも耐える全身が転換装甲でできたボディ、そして光速の99.98%という超超高速で行う近接戦闘! 膨大なエネルギーのやり取りはまさに浪漫! 銀河規模の物語の醍醐味!!
あとは金属生命体もマシンヘッド(機械生命体)も、全て人間少女型っていうのがいいですよね。だいたい巨大ロボットだと人間男性型ですし……。
ちなみに太陽系は物理的に滅びます。