第27話「ユリアの盗撮写真くれない?」
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切断された羽根をわざわざ現場に残すなどという、非常に自己顕示欲の強い犯人である。
そんな人物が、自分のつくった都市伝説が、どのように世界に出回っているか、そもそもチェックしないはずがない、という気もする。
しかも、相手は、完全犯罪を実行し続ける犯人だ。
『天使狩り』の情報を共有する少女を、手放しで見過ごしているとは思えない。
そもそも、犯人はマキを一度取り逃がしている。
彼女の口から、情報が漏れる可能性がある。
だとすると、そうした情報の漏洩に対し、つねに神経を尖らせていたとしても、不思議ではない。
いや、むしろ「監視」していない方がおかしい。
だからこそ、その「監視」を逆手に取るのだ。
……という説明を延々とノブナガにしたのだが、
『天使狩りの犯人=スレッドの監視者・節』には大いに頷いてくれたものの、
また、それに何らかの形で『スタンガン天使=ユリア』が関係している、ということに対しても、異常なまでに賛同してくれたものの――、
おのれの罪状については、なかなか認めようとはしなかった。
「撮ったんだろ……」
彼は天才的な盗撮犯なのである。
愛のむきだしの西島君もびっくりするほどの、手練れなのである。
出会ったが最後――撮られる。
「な、なんでわかったんだな……」
だが、ついに観念した彼から、さっそくユリアの写メを頂く。
データは、異様に重たい。
どれだけ高画質で撮影してるんだよ。
足フェチのノブナガよろしく、絶妙の角度とアングルだ。
少女は、とあるテーブルの上に乗っていて、手前には制服を着た少年の背中が写っている。ユリアの細い足首がある。足首の先には赤いストッキングがのびていて、絶妙な肉付きの太ももの合間からその秘密のデルタが浮かび上がって――、
こ、これは……。
純白の白だ。
じゃなくて、踏まれているのは僕じゃないか。
ラブラドールで初めて会ったときの画像じゃないか。
僕は、戦慄する。
これは、突然飛びかかられた時の映像で、
あの誰もが意表を突かれたはずのその瞬間――、
彼はひとりで床にゴロゴロと三等兵のように転がりパシャパシャとパンチラを撮っていたのだ。
お、おそるべし……。
と。まあノブナガ先生のどうでもいい撮影技術はさておき、
僕は、新しくつくったTwinterに、その写真を放置状態だった自分のブログに、コメントつきでアップした。
スタンガン天使ちゃんのパンツまじ天使
→http:// desire.blog/kinnryoukuno-himitsu.jp/
と@マークつきで送信。
それからノブナガのフォロワー数数万人のフェチ写真メインのサブ垢にログインし、
@nobu_neko
て、天使さまでした。
とURLの画像がTwinter状に表示される状態でRTさせて、拡散。
RT82
お気に入り 160
インプレッション 20631
クリック数 201
凄まじい勢いで、情報は拡散した。
ちなみに、インプレッション=ユーザーがTwinterでこの画像を見た総数が、表示されること。
また、クリック数とは、リンク先のブログに、飛んだ回数のことである。
つまり、たった数分で、数百人の人間が、僕のサイトに訪れた、
ということになる。
正直、ユリアほどの素材であれば、さらにのびるかもしれないと思ったのだが、それでも悪くない数字だ。
やはり、障壁となったのは、画像リンクを踏ませるための、手続きだろう。
経験則だが、リンク付きのものは、見られにくい。
リンク先のブログを開くと、さっそく、
1: 神ですね。でもどうやって天使のぱんつをとったのですか?
2: ぱんつ狩りwwww
などと、嬉しいコメントがついている。
反応は上々だ。
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