セイレネス・ロンド/歌姫は壮烈に舞う

作者 一式鍵

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★★★ Excellent!!!

一部から引き続き戦争の理不尽さと、戦う者の葛藤、絶望を書き続けた本作だが、二部は本格的にセイレネスが戦場へ出ることとなる。
大量破壊兵器となったヴェーラとレベッカの苦しみが、それを取り巻く人々の葛藤と理不尽な現実があなたを襲い続けるだろう。

戦争という場では我々一個人の意思など瑣末なものと扱われる。
しかし戦争で戦った人々も、失われてきた人々も、その小さな一個人の想いをもつ。
何千何万という人々の想いを背負いきれない程の、小さな想いをもつ。
暗躍する神々の想いに翻弄されながら、小さな人間の生を、生きる事を描いた作品である。

荒れ狂った波に呑まれ続けた彼女は
まるで静かな夕凪の様に佇んでいる
それは激しい風が交差する一瞬の静けさ
荒れ狂う風と深海のように冷たい海が織り成す静けさに、彼女達は立っている

あなたを乗せた船は彼女達を追いかけ、絶望という深い海に今堕ちようとしている

★★★ Excellent!!!

出てくる女性が美しくて強くて儚い。けれど幻想を追いすぎてもいなく、下品でもない。この世界に生きている。特別女を意識せず、人間としてそこにいるからこそ強く女性性を感じる。SF作品と簡単に言うのは気が早い。どうか読んで頂きたい。私には作者の人間賛歌に感じた。もっと読まれてよい作品である。