NEXT第27話 究極を越えた史上最強の攻撃
空に押し上げられたゴッドウエポンはゴンザレス太郎の極限突破で作られた結界を破壊する!
結界は出した本人から離れれば離れるほどその強度を失う。
だがそれだけではなくゴッドウエポンはその結界すらも侵食し取り込んでいたのだ。
そして、下から追い掛ける様に消滅の光で追撃をしていた心ない天使達を体から放ったビームで残らず消滅させる。
「全滅か・・・」
左手にアッポーペンを持ったゴンザレス太郎が空を見ながら呟く。
右手には赤砂が乗っている。
誰もが気付いていたのだ。
ゴンザレス太郎が放った核融合と彗星の混ざった時に発生したエネルギーでは心ない天使の体を持つチカの体は破壊できなかった。
だがゴッドウエポンの作り出す同じエネルギーでは心ない天使を消滅する事が出来る。
それは即ちゴッドウエポンの作り出す核融合のエネルギーはそれ以上・・・いや、掛け離れた威力を持っていると言う事である。
「タツヤ、これが最後の赤砂なんだよ・・・これが無かったらもう・・・」
そう、神化しているので死んでも赤砂から生き返る事が出来るのだが世界を巡りこの時代に残っていた赤砂、それはほぼ全て心ない天使に変えて空を埋め尽くすほどの数で消滅させる作戦の為使用していたのだ。
その為、現在ゴンザレス太郎の右手の中に在る赤砂が最後の赤砂であった。
死んでも生き返れる神化であるがそれは一定距離内に赤砂が存在していた場合のみと言う条件付であった。
「大丈夫さ、少なくともあいつを倒すにはこれしかない・・・」
空を見上げるゴンザレス太郎、そしてゴッドウエポンがゴンザレス太郎を殺す為に最後の攻撃に出るのを理解した。
出来れば押し潰し取り込みたかったのだろうがゴンザレス太郎が何かをしようとしているのを感じ取ったのかゴッドウエポンは心ない天使と同様に消滅させる事を選んだ様であった。
そして、そのエネルギーが収束していく・・・
それは心ない天使を消滅させた以上の破壊力を秘めているのが分かる。
むしろ、あれが地上に落ちればこの世界は終わるだろう・・・
実に核爆発の数十倍の威力が在るのをゴンザレス太郎は感じ取っていた。
「こうしてていい?」
ミリーがゴンザレス太郎の背中にしがみ付く。
もしかしたらこれがこの世界の終わりかもしれない・・・
そう考えてミリーはフーカとサラに遠慮するのを止めたのだ。
だがゴンザレス太郎はミリーに告げる。
「これが終わったらさ、4人でまた旅しようか」
それは絶対勝つと言う口約束。
だが彼の口から出るそれは過去の実績から疑いようの無い言葉としてミリーに届く。
「うん!」
最高の笑顔で返事をするミリーはゴンザレス太郎の右手に手を沿える。
「タイミングは一瞬だ。失敗するなよ」
「私はこの世界の神よ!舐めないで」
「それは失礼、じゃ行くぞ!」
その時ゴッドウエポンから核融合を収束させたエネルギー体が放たれた。
最早それは小さな太陽であった。
ゴンザレス太郎の制御された核融合とは違い様々な有害なモノが周囲に飛び散る。
それを確認してゴンザレス太郎は口にする!
「いくぞ!1・2・3!」
「えい!」
ミリーの叫びと共にゴンザレス太郎はアッポーペンとミリーが作り出したそれが生まれた瞬間ぶつける!
一瞬だけ出現したパイナッポーペンの形をしたそれは反粒子と呼ばれる物であった。
「うぉおおおおおおおおおおおおおおお!!!!!」
ゴンザレス太郎の目の前でコード『成功確立100%』の効果により実現したそれは『対消滅』と呼ばれる現象であった。
これは物質と反物質を反応させる事で全ての質量がエネルギーに変わる反応である。
核融合と似て非なるその現象は現在の地球の科学でも制御できない現象である。
そのエネルギー変換率は同質量の比較をすると核融合の実に140倍以上!
だがこの反物質と言う物質がネックである。
反物質はこの世の殆どの物質と対消滅を引き起こしてしまうのでその保管がとても難しいのだ。
詳しく書くと長くなるので端折るがこの反物質は人口的に作るのが非常に難しく宇宙空間にも殆ど存在しない。
その為この現象を故意に起こすのは難しいのが常識だがゴンザレス太郎はミリーの力で赤砂を反物質に変換させ出現した瞬間に対となるアッポーペンとぶつけたのだ。
ゴンザレス太郎の両腕を飲み込むように光が巨大化する!
1円玉サイズの対消滅で原爆の実に3倍の威力があると言われている中、ゴンザレス太郎が発生させたのはそれを遥かに超える質量である。
「いっけぇえええええええええええええええ!!!!!」
ゴンザレス太郎はそのエネルギー体を空に浮かぶゴッドウエポンに向けて放つ!
加速をしながら空に向かって飛んでいく巨大な光の球体は更にそのサイズを巨大化させゴッドウエポンの放った収束核融合弾を飲み込みそのままゴッドウエポンすらも飲み込んで宇宙へ向かって飛んでいく・・・
重力の影響を全く受けてないそのエネルギー体はそのまま宇宙空間を飛び続けやがて宇宙に飛散するだろう・・・
空には本来大気圏に大きく穴が開く筈だろうがここはゲームで作られた異世界である。
その為、その影響は無くそのままゴッドウエポンは完全消滅したのであった。
「タ・・・タツヤ!?」
フーカが叫ぶ。
その場に立っていたゴンザレス太郎の両腕は消滅していた。
あと少し近ければ体は全て消滅していただろう。
「ミリーこれを使って!」
まだ起き上がれないサラがアイテムを投げつける。
それはサラが生めたアイテムランダム変化で出現させた『オールキュア』であった。
その中の緑色の液体を意識を失いそうになっているゴンザレス太郎に飲ませようとするミリーであったがゴンザレス太郎の意識は既に無かった。
このままでは直ぐにゴンザレス太郎は死んでしまう。
そう考えたミリーは自ら口にオールキュアを含みゴンザレス太郎に口付けをして流し込む。
「あぁ・・・良かった・・・」
衝撃で近くの地面に減り込んでいたチカが口にする。
彼女の目の前でゴンザレス太郎の両腕に光の粒子が集まりその腕が修復されていく・・・
まるで操り人形の糸が切れたようにゴンザレス太郎はその場に崩れ落ちそれをミリーが支える。
「お疲れ様、タツヤ」
そして、再び意識の無いゴンザレス太郎に勝利のキスをするのであった。
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