NEXT 第9話 アーニーの秘密?
「これです。」
リルダーツがゴンザレス太郎の前に差し出したのは何か呪文の様な物が書かれた札であった。
オデコに貼ってキョ○シーとか考えたがこの世界の住人にそれが通じるわけも無いので頭から振り払う。
「これは・・・浄化の効果か?」
「はい、解毒とかの効果ですと色々と困るのですがね・・・」
「まぁ入るだけで解毒されるなら一般の人だけに限らず無理してでもギルドまで来ようとする人増えるだろうしね」
なんにしてもこれでゴンザレス太郎は透明オーク化は呪いか呪術の類だと言う事を理解したのでそうなれば対処は簡単だった。
「スキル『プロアクションマジリプレイ』発動!」
スキルを発動し自分に付けるのは『絶対浄化』である。
これでゴンザレス太郎が近くに居るだけで透明オーク化は解除されるだろう。
札の浄化効果は建物内の呪いを発動させない為の効果かもしれないがこの絶対浄化はそのモノ自体を浄化してしまうので似て非なるものでも在る。
更に街中を駆け回る事で街の人々を全員助ける事が出来ると考えて『限界突破』と『加速』を装着する。
「それじゃちょっと町を救ってくるわ」
「ちょっと、このお金は一体どうしたら・・・」
「ん~今回の街の修理費にでも使ってくれ、別に要らんし」
「「「「「えぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇ?!?!?!」」」」」
ゴンザレス太郎がばら撒いた白金貨はざっと見ても100枚は在る、日本円換算で1枚で1000万円くらいの価値が在るのでざっと10億円がそこにあり、それを別に要らないと気って捨てるゴンザレス太郎の言葉に聞いていた誰もが叫び声を上げるのは仕方なかったであろう。
結果、冒険者ギルドの方で回収し今回の修繕と街の防衛費に充てられるのだがそれでもかなり余るのだ。
「んじゃ行ってくるわ!」
その一言を残して目にも止まらぬ速度で入り口のドアを人型に刳り貫いて走り去るゴンザレス太郎。
勢いが早すぎてドアが開く前に青髪少女の姿であるゴンザレス太郎の形に塗り抜かれてしまったのだ。
壁を人型に刳り貫いて走り去ると言う逸話は聞いた事があった人々もドアが開くよりも早くぶつかりすぎて開くドアを刳り貫いたと言うのはまさに予想の斜め上と言わざるを得まい。
後々に青髪少女を見掛けたら逆らわない方がいいとココに居る人たちの間で話題になるのだがそれはまた別の話で。
「っと言うわけでゴンザレス太郎タツヤさんのお陰で皆さん助かったって訳なのです。」
聞かれたリルダーツは冒険者ギルドでの話を語ったが流石に信用されないだろうな・・・
そう考えていたのだがその場に居る誰もが欠片も疑ってない事実に驚くのであった。
「さて、それじゃあ君に聞きたい事が幾つか在るんだけど・・・」
「えぇ、世界最強さん。私の事は『アーニー』と呼んでもらえるかしら?」
「分かった。俺の事はゴンザレス太郎で良いよアーニ-」
2人は向かい合って会話をする。
そして、フーカがゴンザレス太郎の耳に口を近づけて教える。
「タツヤ・・・彼女・・・転生タイムリープ持ちよ」
「みたいだな、まさかと思ったけど。」
そう、アーニーはフーカがパンドラで作り出したユニークスキル『転生タイムリープ』を持っていたのだ。
それが彼女がこれからこの街が滅びる事とゴンザレス太郎が世界最強と言う事を知っている理由でもあったのだ。
彼女は何度かの転生タイムリープの中でギルドマスターのリルダーツと親しくなってゴンザレス太郎の事を聞いた事があったので知っていたのだ。
流石に少女の姿をしていると言うのは本人驚いていたりするのだが・・・
そして、それが意味する事は一つ・・・
「それじゃ聞こう、この後に何が起こるんだ?」
「明け方にヤツが・・・来る!」
ヤツ・・・
金髪ツインテール少女アーニーが知っている記憶では明け方に現われたヤツと呼ばれるモノによって透明オークが攻めて来て街が滅ぼされるのだが・・・
ゴンザレス太郎達は知っての通り転生タイムリープは1000年後の自分が再び生まれる時に前回の記憶を持ったまま生まれる事が出来るスキル。
つまり、それは1000年前の事で今回のゴンザレス太郎達の存在はここには無かった。
歴史が変わっているのだ。
「この街、いえこの世界を助ける為にヤツを倒して!」
アーニーの願いの叫びと共に空に闇の空間が展開されているのにこの時誰もまだ気付いていなかった。
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