第87話 絶望的現状

ゴンザレス太郎とフーカが来たので一同はギルドマスターの部屋に移動して詳しい話を聞いたのだが…


「半月前に突然鬼達が…ですか…」


サラの説明により魔界では鬼の大群による被害で全ての町が壊滅したとの事だった。

と言っても魔界にある町は2つだけだったらしいが。


「しかし、戦鬼が10体以上に龍鬼に鬼王…触手鬼に時と共に更に強大な鬼も…ですか…」


ギルドマスターはゴンザレス太郎達が6人がかりで戦鬼を倒したと言う話を聞いていたのでその話に絶望しか想像できなかった。

しかし、それは間違いでゴンザレス太郎達が戦った戦鬼は慟哭の洞窟にある世界最高レベルと言ってもいいほどのモンスターハウスの魔物を無尽蔵に食したからこその強さなので比較するのが間違いなのだが見てない者には分からない。

ゲームでもレベル5の勇者とレベル50の勇者ならどちらが強いかと聞けば分かるだろう。


「現在は私の兄『魔王子アーサー』がユニークスキル『冥凶死衰』で母の魂石を守っているので大丈夫ですが、それが破られたら父である魔王と同等の力を得た鬼が誕生し魔海を渡ってこちら側にも攻めてくるでしょう」


沈黙が場を支配する。

しかし、まだ語られてない事がある…


「お父さんの魔王はやられたのですか?」


メールが恐る恐る聞く、あの魔物襲撃の時に鑑定スキルを持ってなくても遥か彼方に居る魔王の実力を感じ取っていただけに魔王がやられたのか気になったのだ。


「いえ、父魔王は触手鬼に取りつかれ操り人形となって町を襲いました。」


絶句を超えた時に人はどうなるのか、理解が及ばなすぎて思考回路が停止する者が大多数である。

そんな中、ヤバイが確認として口にする。


「つまり、世界が滅びるまで後数ヵ月しかなく、防ぐ為には魔王を倒して無限に近く繁殖する鬼を殲滅し更にSSSランクの魔物が敵わなかった敵多数を倒さないと駄目ってことか?」


改めて口にされサラは絶望的状況になってるのを再認識し頷いた。

そして、完全に詰んだ状況なのを理解した上で全員が視線を向けたのはゴンザレス太郎であった。

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