スキル「プロアクションマジリプレイ」が凄すぎて異世界で最強無敵なのにニートやってます。

第46話 恋には下心がある

学校が終わり２人はいつもの冒険者ギルドに来ていた。

もう冒険者ギルドでも２人の事は知り渡っておりもうすぐAランクに届くと言われてるマジメの３人と組んでいるラブラブ過ぎる謎の子供として有名になり噂が広まっていた。

それもその筈、二人はまだ7歳で正式な冒険者として登録できるのは9歳からなのでそんな２人がBランクのマジメと組んでいると言うのは２人共に何か理由があるからだろうと推測されていたからだ。

ここ数日マジメの３人はBランクの依頼を受けて出ているのでそこには２人しかおらず、その理由が知りたい冒険者は何人か声を掛けてきてはいたのだがフーカは口を開かないしゴンザレス太郎は「マジメの３人に勝てたら話してあげます」っとマコトに言われた通りの返答であしらっていた。

っで今日の目的は依頼であった。

ゴンザレス太郎は目的の依頼が残っているのをやっと見つけた。

ギルドの掲示板に貼り出されている依頼書は基本的に早い者勝ちで見習い冒険者として選べる依頼は基本的には常時依頼が多い。

これは薬草の採取や空き瓶の回収など簡単な雑用がメインなのだがそれでも必要数以上は乱獲を防いだりする為に一定数までしか受け付けないようになっている。

ゴンザレス太郎はその依頼書を持って受け付けに行き依頼を受けるのであった。

２人は依頼を受けて教会まで来ている。

受けた依頼の内容は常時依頼の『教会裏の雑草取り』であった。

だがこれは表向きの依頼で本当はカカシ代わりが本来の目的なのだ。

っと言うのも教会裏には教会内で使用する花が育てられているのだがその花を狙う魔物の『なめくじバード』を寄せ付けないのが目的なのだ。

この魔物は人間を極端に怖がる性質があるので誰かがそこに居てさえすれば良いのだ。

そんなわけでこの依頼は何もしなくても報酬が貰える美味しい依頼として有名なのだが如何せん報酬が安い、世の中うまく出来ているのである。

半日働いて報酬は参加者全員で銅貨2枚と言うのは子供のおこづかいよりも酷いのである。

※銅貨2枚は現代日本の価値で約20円

だがこの教会の裏は町を囲う壁と教会で囲まれており依頼を受けないと入れない空間であり、言い換えれば誰にも邪魔をされない実験場には最適なのであった。

前回のアイテムを埋めるのはここで何かあると困ると言うので河川敷を利用したのは正解だったであろう。

「それで本当にやるのね？」

「まぁ、困った時はもう一度寝ちゃえば良いんだし実験だよ」

「タツヤがそう言うなら分かった…」

相変わらず腕にしがみついたままのフーカは二人っきりの時はゴンザレス太郎をタツヤと呼び基本的に言うことに従う。

予期せぬ事が起こるのは毎度の事だがそれが結果的に歴史を大きく変えているのはフーカには分かっているからだ。

自分が必ず死ぬ次の春のあの一日を乗り越えたい一心の為に彼女はゴンザレス太郎に従う。

「それじゃやるよ」

フーカはコクンっと頷き腕から離れる。

「スキル『プロアクションマジリプレイ』発動！」

唱えると共にゴンザレス太郎の目の前にいつもの青いウィンドウが出現し心臓が大きく一回跳ねる。

もう慣れた手つきでコードの入力を開始しようとするのだが…

「フーカ、シズクの人ナンバーはこれであってるんだよね？」

「確認もした、シズクのナンバーはそれで間違いない」

「っとなるとそういうことかな？」

ゴンザレス太郎は紙に書かれたシズクのコード『04427521』を見て少し考えた。

『○○○○○○○A 12324493』

が好感度MAXのコードなので一桁多かったのだ。

それで頭の0を使わずに入力して実行したのであった。

「それじゃタツヤ、今日はゆっくり出来る」

そう言いフーカは毎度の膝枕を用意してもうゴンザレス太郎も何も言わずにそこに頭を乗せるのだった。

(何だがヤンデレフラグビンビンな気がするんだが…怖いなぁ…)

その頃、とある場所で…

「えっ？何？この胸の高鳴り…あっち？愛しい…切ない…会いたい！」

一人の少女にスキルが発動していたのであった。