第42話 油断大敵

「おーい、大丈夫かぁ~」


気を失ったメールを介抱するジル。

いつもと逆で普段はジルがメールに介抱されているその光景にマコトも微笑んで現実逃避する。

今自分が手にしているのがラストエリクサーでこれ一つで下手すれば国が買えるのだ。


「しかしまぁ、とんでもない物が出たわね…」


フーカがため息を吐きながらゴンザレス太郎に語りかける。

その値段もそうだがその効果をフーカはスキルで見ていたのだ。


「まぁ実在するアイテムなら出るみたいだし仕方ないんじゃない?」


そう、ここが大切なのだ。

正確には『実在する』ではなく『実在した事実がある』なので現代に残っているアイテムに限らず現存しない歴史、伝説、神話に残されているアイテムや絶滅した魔物の素材全てからランダムでアイテムが変化するのだ。


「あれっ?私…あれれっ?」


メールが目を覚ましジルに手を借りて体を起こす。

ラストエリクサーの存在に驚いて意識を失ったのを覚えていないようだった。


「さて、んじゃあメールも起きたし次のを掘りますか」


一体次は何が出てくるのかとワクワクしているマコト…

依頼の品をどうするのかすら忘れている辺り結構彼も動揺しているようだ。


「ここ掘れバウバウ…ん?なんだこれ?」


マコトからラストエリクサーを受け取っていたフーカが視線をやるとマコトは何やら黒い紐のような物を持ち上げていた。

それを見たフーカは叫ぶ!


「それを切っちゃダメ!」


だがその声が届くと同時にマコトはその紐を持ち上げようとして引きちぎってしまった。

そして辺りは光に包まれ大爆発を起こすのだった。

フーカが最後に見た表示は…


『クイーンボムの堪忍袋の緒:切れると切れた場所を中心に半径500メートルを吹き飛ばす大爆発を起こす』


っであった。

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