第35話 町へと帰還

「分かった。君達二人をパーティーに加えさせてもらう。」


30分ほど悩んだ末マコトが告げてきたのは了承の返事であった。

マジメの3人としてもフーカの存在を手元に置いておきたいっと言うのが大きかった。

便利なスキルと言うのもあるがそれよりも…


「だから俺達の事は…」

「大丈夫ですよ。皆さんがレアエルフと言うのは他言しませんから」

「やっぱり分かってたか」


※レアエルフとはエルフの上位種のハイエルフと人間との間に生まれる見た目は人間なのにハイエルフ並みに長生きする幻の種族である。


「さて、それじゃ町に戻るとするか」

「それじゃあ早速、皆さん自分の親指を口に入れるかくわえるかして下さい」

「「「???」」」


一同は再び首をかしげているがゴンザレス太郎の事だから何かあるのだろうと先にやっている二人を真似て口にくわえる。


「そへふぁしゅっはふふぃんほぉうー」


そのまま歩き始めたゴンザレス太郎達に続いて3人も歩き始めるのだが親指を口にくわえている意味が分からない。

少し歩いて流石にこれは恥ずかしいと思ったジルが口から親指を離したその時であった。

ジル以外の4人が物凄い速度でジルを置き去りにして歩き去ったのだ?!


「はっ?!」


意味が分からないがこんな所で置いていかれる訳にもいかないと考えて走って4人を追い掛けるのだがその距離はどんどん離れていく…

しかも視界に入ってる4人は歩いているのに追い付けないのだ!?

そこでやっとジルが後ろに居ないことに気付いたマコトとメールが歩きながら振り替えると少し離れて場所をまるでパントマイムの様にゆっくりと走る動作で付いてきているのに気が付いた。

その姿に2人は驚愕した。

地面を蹴って次の足が地面に着くまでの体の落下速度が明らかにおかしかったからだ。


そう、これがゴンザレス太郎が昨夜寝る前に打ち込んだ新コード『親指口に入れると移動速度3倍』の効果であった。


ジルは2人の姿を見て親指をくわえ直すと直ぐに追い付けて一緒に歩いてその異常性を体感した。

なにせ魔物が居ても歩いているだけで追い付かれないのだ。

ただ攻撃したりすると解除されるらしく正面に出た魔物をマコトが切りつけようとした時に魔物の動きが急に加速して驚いていた。

ゴンザレス太郎はそれを見て…


(弾幕シューティングゲームの敵弾が画面外に消えて処理落ちが収まった時みたいだな~)


っとマコトが蛙ネズミを倒すのを見ながら考えていた。

そうして出たときの半分の約20分で町まで帰った一同はギルドに方向に行くのだった。

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