第33話 大量に増えたコード

「す、すまないがちょっと考える時間をくれないか?」


マコトだけでなく一緒に居た二人も頷いてゴンザレス太郎のスキルについて考えたいらしい…

それは当然であろう、こんな無茶苦茶なスキルの存在を知ってしまったのだから。


「分かりました。ここで夜営して明るくなったら帰るって事にしましょうか」


既に夜も更けておりこのまま帰路に付くより夜営して明るくなってから帰った方が安全と言うこともありフーカも首を縦に振っていた。

明日は朝帰りで学校には行けなさそうと考えながら簡単な夜営の準備をする。

っと言ってもこのパーティーにはメールが居るので気配を遮断する結界のお陰でそれほど準備も困らない。


落ち着いたところでフーカが近付いてきて予想していた通り聞いてきた。

そう、ダンジョンの中で他にどんなコードが出たのかである。

ゴンザレス太郎は「驚いて大きな声は出さないでね」っと伝えコードを控えたメモを見せた。


『弾無限 41714171 15151285』

『料理で食材減らない 13711371 15123212』

『戦闘後HP全快 BA434292 21126323』

『主要キャラの名前変更 A5141551 55171E』

『埋めたアイテムランダム変化 A92E5112 25035155』

『燃えた物原価に変わる 75813244 15215452』

『ステータス開くと所持金ランダム変化 15215463 14932151』

『親指口に入れると移動速度3倍 94939493 61811285』

『回復でダメージ 51159151 12439112』

『建物素通り 32851364 22511285』

『ダンジョンのエンカウント操作 44225103 44125112』


それらを見ながら一つ一つ考えているのだろう…

あの時聞いた次の春に自分が死なないようにする何かがあるかを…

一通り目を通してため息を吐くフーカ。

どうやらお目当てのコードは無かったらしい。


「使えそうなのは無かった?」

「ううん、単に驚いて呆れてるだけ…もうなんでもありね…」


フーカはそう言ってゴンザレス太郎の横で横になった。

そしてそのまま眠りに着くフーカを眺めて自分の唇に指を這わせ起こされる時にキスされたのを思い出すのだった。

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