第25話 冒険者ギルド
この世界の学校では二年生の課外授業が一つの区切りになっていてそれ以降は授業は午前中のみとなる。
これは一般常識や一通りの基礎学力を納め終わったとされるのがこの時期でこれ以降は親の元で家業の手伝いをしたり冒険者登録をして薬草採取やお使い系の依頼をこなして金銭を稼ぐようになるからである。
ただ、正式な冒険者登録は9歳からなので7歳のこの頃は登録して幾ら依頼をこなしてもランクは変動しない、言わばお試し期間なのである。
だがそれでもギルドは冒険者として扱うし取引売買はギルドの名に懸けてしっかりと行われる。
「って習ったよね?」
「は…はい…」
近い、顔がすごく近い…
今朝からフーカの態度がやはりおかしい…
昨日までなら神力を使うから質問形式での会話は控えるって言ってた筈なのに朝から普通に話してきてるし…
まぁ他の連中に話しかけられてもいつも通り無口キャラを通していたのは優越感が有って嬉しかったんだがその後の自分に話し掛ける時の豹変振りが凄くてむしろ自分が変な目で見られてた気がした。
「ねぇ、聞いてるの?」
「聞いてる聞いてます!」
だから近いって!?
「じゃあ冒険者ギルド行くか」
「うんっ」
何この娘、絶対昨日までのフーカと別人だろこれ…
何故か腕の袖を摘ままれながら一緒に向かったのは中に初めて入る冒険者ギルド。
きっと女連れで入ったら強面の冒険者達に絡まれてってイベントが始まるんだろうな…
そう覚悟を決めて入ると…
「ん?ゴン太じゃないか!」
そこに居たのはアイアンだった。
横にはホネオも居る。
「なんだ?お前が冒険者登録?無理だって!アハハハハハハハ」
相変わらずホネオうぜぇ…
そんな二人は後ろに続いて入ってきたフーカの事に気付き態度を一転させる。
しかもゴンザレス太郎の袖を摘まんでいるのを見て更に怒りを露にする。
ゴンザレス太郎もこのままそこに居たら何されるか分からない、一応ギルド内での揉め事はご法度だが7歳の子供同士だからとスルーされると困るので逃げるようにフーカを連れて受付へと移動する。
「ようこそ冒険者ギルドへ、新規のご登録ですか?」
ゴン太は7歳で背が低いため受付嬢が前のめりで話し掛けてくるもんだから目の前にたわわが二つで立派なたわわわが…
するとすぐ後ろのフーカの不機嫌な気配が…
更に反対側からはアイアンの怒りの視線が…
そうか、これが四面楚歌ってやつか!
ゴンザレス太郎、前世の知識で現実逃避するのであった。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます