スチール・ハート

作者 碧咲瑠璃

51

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★★ Very Good!!

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バットマンの活躍するゴッサムシティーって、周辺都市と如何なる経済的繋がりを築いているのだろう? 犯罪者の巣窟相手に日用品や食料品を売買する人間は居ないよな。こんな疑問を封印すれば、ゴッサムシティーは極めて完成度の高い舞台設定だと思います。
本作品の舞台も似た感じです。極めて完成度が高いと思います。その舞台を所狭しと活躍する登場人物達。前半はバットマン同様の活劇が繰り広げられます。
ところが、後半になると雰囲気が変わり始めます。活劇の背景として、こんな裏事情が有ったんだよ、とベールを一枚ずつ剥いでいきます。
そんな二部構成を楽しんでください。

★★★ Excellent!!!

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体の一部を機械化した青年が、葛藤を抱えながら戦いに身を投じていくSFアクション小説です。

義賊のごとく救われない人々を救いながら、汚れ仕事によって金を稼ぐ青年。彼は人を殺したくない。でも殺さなければならないときがある。それは普通の仕事では決して得られない大金を手に入れる必要があるから。それによって救いたい人がいるから……。

ハードボイルド小説らしい皮肉の利いた流麗な文章が、ダークな世界観を見事に演出しています。そこで語られる青年の昼の顔と夜の顔。機械の体によって常人には決して真似できない超人的な戦闘をこなしながら、青少年らしい複雑な想いを抱えている描写に心を揺さぶられます。

詳細な心理描写もさることながら、アクションは贅肉を削いだ文章で圧倒的なスピード感があり、激しい戦闘をその場で見ているように感じることができます。

さらに人間の機械化に関しては単にアクションのためのSF的なガジェットとして登場するのではなく、その存在について深く考察されており、SF作品としてのリアリティを高めています。

この作品は完結済みになっていますが、まだ第一部が終わっただけのようです。ここからどんな展開が待っているのか、続編に期待します。

★★★ Excellent!!!

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機械の身体であることの悲哀。巨大都市の夜を支配する金と暴力。メカ好きの心をくすぐるテック。お手本のようなサイバーパンクの世界を舞台に、死体と苦悶を積み重ねていく主人公が格好良くて、悲壮で。
簡潔で綺麗な文体から紡ぎだされる、暗く、陰惨で、切ない未来の物語。控えめに言っても、素敵すぎます。

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★★★ Excellent!!!

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 この作品の特筆すべき点は、SF的な設定とストーリーが見事に融合していること。これはもう機械と生体が融合したサイバネティクスを地で行くが如しだ。

 そこへ機械化された兵士の超人的なバトル、題名が「スチール・ハート」であるにも関わらず、煩悶する繊細な主人公。正義と悪が混在する世界。過去に呪われ、それでも現実に抗おうとする少年たち。それらが混然となって、濃密で暗黒、さらには残酷なドラマを展開している。


 本作は、学校の教科にもし「SF」というものがあれば、その教科書に載せてもおかしくないような、見事なSF小説だ。

 見事で、模範的である。が、作者はこともなげにやってみせているが、真似するのは至難の業。そこのところは、注意が必要だ。


 この場を借りてひとこと言わせてもらうが、カクヨムのSF小説のレベルは、日本のSF小説界を軽く凌駕している。

 この綺羅、星の如くのSF作品群を、きちんと評価できる実力が果たして、カクヨム運営にあるのか否か?

 かなり、面白いことになってきた。

★★★ Excellent!!!

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人間と機械の融合が当たり前になった世界で、ダークな社会に生きる主人公達の戦いを描く作品です。とにかく、出てくる言葉がカッコいいです。漢字にルビをふって、次から次へとセンスのいい専門用語が出てくるのは、SF好きなら唸ってしまいます!
アクションの描写も、五感に訴えてくる迫力があります。僕もバトル物を書くので、参考にしたいと思いました。

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★★★ Excellent!!!

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ページを開くとまず驚かされるのは圧倒的な情報量の多さ、そして文章の格好良さだ。ハッタリのきいた比喩やケレン味たっぷりの言い回しで、人物、景色、世界観、そして戦闘を描写する卓越した文章力は、とても一朝一夕の訓練で身につけられるものではない。「私もこんな文章を書いてみたい!」と不遜な羨望が思わず湧き上がるほど、この作者の筆力はネット小説という世界で群を抜いている。
そして、その優れた筆致のもと繰り広げられるのが、リアリティとスタイリッシュさに溢れた近未来サイボーグアクションだ。もっとも「サイボーグ」という使い古された表現は本作では限定的な文脈でしか出てこない。機械を埋め込んだ人間のことを、本作はその何倍も格好良い言葉で描写する。そのハイセンスな言葉選びには、SF好き、バトル物好きなら思わず唸らされる。詳細はぜひ本文をご参照頂きたい。
身体を機械化した人間が戦うという、ともすれば破天荒で非現実的な物語だが、それを無理なく「読ませる」秘訣は細部まで作り込まれたリアルな人物描写や世界設定だ。この世界において機械化人間はどんな扱いなのか。生身の人間の扱いはどうなのか。世界観の根底をなす部分の設定に一本筋が通っており、どの人物もブレることなく「この世界の常識」に基づいて行動するため(勿論この世界における非常識な行動はちゃんと非常識に見えるように描かれる)、本当にこんな世界が目の前にあるかのようなリアリティが読者の前に立ち上がってくる。
SFとは、創作とはこうあるべきだという秀逸な手本のような作品。読み専の人の楽しみにもさることながら、創作を志す全ての人の教科書にももってこいの一作だ。

さんがに★で称えました

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