第5話 説明と前進

ここが地球でない事の確認は出来た。

腕時計を確認すると時間は流れている…

次にスマホを取り出して見てみると予想通り県外…


「安井さんはここにどれくらい居たんですか?」


奈村は外との時間の流れの差を確認しようと考えた。

安井さんが居なくなった夕刻から閉店時間まで約4時間、もしこの時間が違えば下手すれば浦島太郎になる可能性を考えたのだ。

失踪宣告と言う生死が確認できない場合7年が経過したら死亡扱いになるという法律もあるので、数百年数千年未来に戻れて銀行預金が金利でウハウハだぜ~って事になら無いように日本の法律は良くできている、突然タイムマシンが発明されてもそれで銀行が困らないように先手を打ってるなんて…流石漫画とアニメの国だ日本(笑)


「店長…これから話す事を聞いて欲しいんですが、一つだけお願いがあります」

「はい、なんでしょう」

「今から私が話す内容に質問や疑問、回答を求める事などをしないで下さい」

「…ふむ、分かりました。」

「それではお話しします。店長もお察しの通りここはあの本の中です。そして、唯一の出口がこの先にあります」


安居さんが指を指したのは海とは反対側の森であった。


「あっちですか…分かりました。」

「…やっぱり何も聞かないんですね…」

「ん?何か言いましたか?」

「いえ、じゃあ行きましょう。」


奈村は安居さんに質問を一切しないように言われたから何も言わなかったが安居さんの小さく呟いたその言葉に疑問を持ちつつ森へ足を進めるのであった。


「ご親切に看板がありますね、えっと…」


『さ迷いの森』


「迷いの森はよく聞きますがこれは中々斬新ですね」


奈村の呟きに安居は何も答えず二人は森の木が生えてない一本の道を進むのだった。

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