DIVAS

作者 狩本裕矢

17

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★★★ Excellent!!!

ふと思ったことがある。何気なく思ったことだが、僕という一人の人間を小説にしたら、一体どれほどの文字が生まれるのか。小説によっては、一ヶ月で物語が終了するものもあるが、その人の人生の大半——つまり、生まれてから老いるまで——を描いた本もある。
流石に僕の人生の全てを文字にしようとは思わないが、学生時代ならどうだろう。もしも学生というイベント密集時期をただの一つも漏らすことなく書くとしたら、優に100万文字は超えるのではないか。

そんな小説がこれです。

これだけ美味しそうなタイトルがずらりと並んでいると、普段は食事を前菜から順番に食べる僕でも、ついつい気になったものから手にとってしまう。

前菜と思って選んだのは、エロゲーとガンダムのゲテモノだ。
これはなかなかクセのある味だったが、エロゲーか、ガンダムか。唐揚げにかけるのはレモンか醤油か、むしろマヨネーズだの争いみたいで、美味しく楽しめた。

さて、早いかもしれないが次はメインディッシュ。
僕のお腹はそんなに食べられるほうじゃない。
だからこそ、一瞬一瞬を味わって食べるのだ。

最終巻の「本棚のバトル漫画を見て、泣いた。」より抜粋。

本棚に手を軽く差し出すと、一冊の本が落ちてきた。カバーの取れたファミコン版『MOTHER』の攻略本。

 開かれたページには、弱気な少年、ロイドの台詞。

『こんどこそ よわむしのぼくが たたかう ばんだ。

 てでぃ! きみは ここでやすんでいてくれ』

 高奈は泣いた。目から涙があふれ出る。

 そうだ。

 強くなった時も、臆病だったころも、僕はずっと戦い続けていたんだ。作品の登場人物と一緒に。

残念ながら、僕はこの料理人が一体どれほどの修行を積んで、この料理を作ったのか、その歴史を知るにはあまりにも時間が足りないが、たまたま足を踏み入れた僕にさえ感動できたこの一皿のセリフ。
料理… 続きを読む

★★★ Excellent!!!

 私も田中芳樹リスペクトなので多数の人物の視点から描くのが好きではありますが、この作者さんのそれはもはや嫉妬レベル。ましてやこれだけの物語を見事にまとめ上げるその力量。頭の中ドウナッテンデスカ。

 主人公四人だけでなく、始まりは異なる平行線と思えた多数の登場人物たちのドラマが時に交差し、離れ、再び合流して絡み合いながら終息に向かっていく。これぞ群像劇の醍醐味。

 最初に目次を眺めると、エピタイから窺えるハードな内容に回れ右しそうになりますが(ぶっちゃけ私は一度引いた)作者さん独特ともいえる淡白な筆致にそれほど深刻にならずに読み流せます。

 あらゆる場所に設置されたオタクホイホイにいちいち引っかかりつつ(それもまた心地いい)怒涛のクライマックスから圧巻のフィナーレを迎える快感は、この長い物語に寄り添ってキャラたちを見つめて来たからこそ味わえるもの。

 どうぞどうぞ皆さまもご体感アレ。一話が短いので空いた時間にちょこちょこ読み進められますよ♡

★★★ Excellent!!!

第2巻まで読んだところのレビューです。長さ的には、1巻で文庫本1冊ぐらいの分量があるので、大体、文庫本2冊読んだくらいでのレビューということです。

四人の高校生を主人公にした、群像劇。四人それぞれのストーリーが絡み合ってゆきます。タグにはライトノベルとありますが、個人的には、ライトノベルというよりは、もっとハードな、一般文芸に近い作風と感じました。描写、ストーリー運び、共にしっかりしており、安心して物語世界の中に身をゆだねられます。

四人のストーリーは、どれも、かなり個性的なもの。そして、ストーリーの端々に、アウトローの香りが漂います。全体を通して、シリアスな雰囲気が覆っています。

また、作者独自の個性的な表現方法も面白い。htmlタグを文中に差し込むことにより、大文字や太字を表現するという試み。作品を読む際には、ぜひここにも注目してみてください。