1-24 ラエルに罠をしかけました
ジュエルに早速俺の手駒として働いてもらう。
『ナビー、ジュエルの妹が今どこにいるか分かるか?』
『……ジュエルが泊まっている宿屋にいるようですね。わざわざ他人として違う部屋を借りているようです。妹にも2部屋借りているのを知らせていないようですね』
『当然暗殺者なのも知らないよな?』
『……妹は姉のことを冒険者だと思っているようです。妹の方には勿論犯罪歴はありません』
「ジュエル、お前にさっそく一仕事してもらうが、先にお前の妹を治してやろう」
「これから? 仕事をする前に治してくれるの? なぜ?」
「何かをしても本当に治してくれるかどうか分からないのじゃ、君も不安だろ? 先に妹を治してもらった方がお前も僕を信じるだろ? 僕は君を妹で縛るのではなく、妹で君の忠誠を勝ち取りたいのだ」
「随分本心をぶっちゃけるわね……治してもらって、私が妹を連れて逃げるとかは考えないの?」
「ジェシルちゃんを連れて、中央区の宿屋から逃げるのか?」
「クッ! 宿屋にいるのまで既に分かっているのね……」
「君は今後僕の下で安定した収入を得て、低リスクで姉妹ともに幸せに暮らせば良いと思う。普段は冒険者として暮らすといいだろう。僕に何かあった時だけ護衛してくれればいい」
「ん、殺人者を雇うのは危険、私は反対!」
「サリエの言い分は間違いないよ。こいつはどう言いつくろっても暗殺者だ。妹の為とかそんな言い訳通用しない。だけど、こいつは口も堅いし頭も良い。個人香を嗅いでごらん。良い匂いがするから、多分心根は良いやつなんだよ……」
「ん、本当だ……暗殺者なのに……」
「17歳という年齢を考えたら、暗殺者になってまだ日が浅いんだろう……それに、アサシン=悪人というわけじゃないからね」
「ん、でも犯罪歴が2つある……」
「これも人の見方によって変わってくる……国に雇われている暗部の者にはジュエルと同じく殺人、脅迫、誘拐等の犯罪履歴が付いているはずだけど、国の指示により法の下に犯した罪であって、神のシステムによって犯罪歴が付いていても悪行というわけではない」
「ん、分かった。リューク様がそこまで言うなら従う」
サリエは不満全開で了承してくれた。
「あくまでジュエルは問題が起きた時の僕の護衛なんだ。普段は好きな仕事をさせておけばいい」
「ん、護衛なら私が居るのに……分かった、リューク様に任せる……」
黙って俺たちの話を聞いていたが、どうしても気になったのか俺に聞いてきた。
「ねぇ? あんた、本当に今から先に妹を治療してくれるの?」
「ん、リューク様が今からお前の雇い主! 今後はリューク様と呼ぶように! 『あんた』とか『お前』とか不敬罪にあたるような汚い言葉を今度言ったら、許さない!」
「サリエ……正論だけど、まんま君に返すよ……」
「分かりました。リューク様、今後は雇用主として敬って接するようにいたします」
「へー、サリエよりしっかり敬語を使えるんじゃないか?」
「ん! 私、こいつ嫌い!」
「サリエも変なところで対抗意識を出さない。とりあえず、ジュエルに一仕事してもらう」
「私は何をすれば宜しいのでしょう?」
「そう警戒しなくていいよ。さっきも言ったけど、先に君の妹を診てあげる。でも、そろそろラエルが結果を知りたがるだろうから、暗殺に失敗したとメールを送ってくれ」
「ん、それでどうするの?」
「失敗して面が割れそうだったのでこの国から逃げると伝えて、サリエが異常に強すぎるから暗殺はまず不可能だと伝えるんだよ。それと同時に僕を殺せる可能性のある方法をラエルに教えてあげればいい。僕を風呂に誘って細い毒針で刺せば、心不全で殺せると教え、ジュエルから失敗した詫びだと、毒針をラエルにプレゼントするんだ」
「風呂なら警戒の強いサリエ殿も居ないし、ラエル自らなら従兄であるリューク様も油断して殺せると教えるのですね? ラエルが直接攻撃をしたのなら、現行犯で言い逃れもできないと……ですが武器を持たずにあの優秀なラエルをリューク様は捕らえられるのですか? サリエ殿ほどではないですが、あの者もかなり強いですよ」
「ラエルは騎士科を首席入学するほどだしね……ジュエルがそう考えるのは無理ないか。でも、まったく問題ないよ。言っておくけど、僕はサリエと同じくらい強いからね」
「ん、同じくらいじゃない! 何でもありならリューク様は私より遥かに強い! ラエルじゃ、リューク様に絶対勝てない」
「ラエルに先ほどの内容のメールを送れば良いのですね?」
「ん! 無視するな! アホ!」
「サリエ、話が進まないからいちいち突っかからないように。先ほど言ったとおりの内容で、心不全として殺せる毒針を国を出る前に今日中に使いに配達させると一文入れといてくれ」
「分かりました。ですがラエルとのやり取りは【クリスタルプレート】のメール機能ではなく、ダンジョンでドロップしたこの魔道具によるものです」
「ああ、【クリスタルプレート】だと送信時にフレンド登録して実名じゃないと送れないからね。じゃあその魔具で頼むよ。いかにサリエが強すぎて勝負にならなかったかをできるだけ伝えてね。隊長クラスが相手なら殺せたが、サリエはそれ以上に強かったと入れとけば、観念してラエル自らが襲ってくるだろう」
失敗を伝えられたラエルは罵った内容のメールを返してきたが、毒針を必ず届けるようにと念を入れてきた。これで直接対決ができるだろう。後は俺が上手く捕らえればいいだけだ。
「ん、私も捕らえる時、湯着を着て一緒にお風呂に入る」
「ダメだよ。ラエルには油断してもらわなきゃいけないんだから」
「リューク様、愛されていますね。でも今更ですが、こんな子供に負けたとは……」
「ん! やっぱこいつ嫌い!」
「サリエはこう見えてももうすぐ16歳なんだよ」
「ラエルからの情報でそう聞いていますが、にわかに信じられませんね」
ますますサリエが怒り狂ってきたので、さっさと宿屋に向かうことにする。
「あの、リューク様……この格好で街中に行くのは……着替えてもよろしいですか?」
確かにこの忍び装束のようないでたちだと怪しすぎる。
「ん! ここで着替えて! リューク様には背中を向けて、私の方を向いて着替えるように! 怪しい動きをしたら切る!」
サリエは未だ彼女に対して一切警戒を解いていないようだ。
ジュエルに俺とサリエの間で監視の下で着替えろと指示を出したのだ。流石だ、サリエ。
「分かったわ……私には、もう逆らう気なんかないんだけどね……」
び、美少女の生着替え!
ジュエルはさらしのようなものを胸に強く巻いていた。万が一仕事中に姿を目撃されたとしても胸を隠すことで捕まらない限りは男か女か見た目で判らないようにするためなのだろう。顔は覆面で隠しているので、性別を隠すのは意外と有効なのかもしれない。
「リューク様……そんなにじっと見つめられると恥ずかしいです……」
俺からは後姿しか見えてないが、顔を赤らめモジモジとしながら着替える姿はちょっと可愛いと思ってしまった。
着替え後のジュエルは、ありきたりな中級冒険者の装備を身に纏っていた。普段は冒険者の装備や、町娘の格好をして、任務依頼を行う先の村や町に合わせて違和感がないよう意識して選んでいるとのことだ。
宿屋に向かう途中で、ジュエルが時々使い走りにしているという子供に、毒針を持たせて走らせた。封筒に5cmほどの細い針を板で挟んで、危険がないようにして届けさせたのだ。子供にマーキングを施し、ちゃんと届けたかの確認も行う。後はラエルからの風呂の誘いを待つだけだ。
宿屋に到着し、ジュエルの妹に会う。
可愛いのだが、ジェシルちゃんはその辺にいるような素朴な町娘という感じだ。
ジュエルが超可愛いので、少し期待し過ぎていたようだ。
「こんにちは、妹のジェシルです。うふふ、姉さんがお友達を連れてくるのは初めてです」
この娘もほんの少しだが死臭がする。放っておけばいずれは死が訪れるだろう。
「こんにちは、冒険者仲間のリュークだよ。最近仕事で君のお姉ちゃんと知り合ったんだけど、ジェエルが妹を診てほしいって言うから今日はきたんだ」
「そうなんだ。リュークお兄ちゃんはヒーラーさんなの?」
「そうだよ。結構レアなスキルを持ってるからね。本当は秘密なんだけど、どうしても診てくれってジュエルがしつこいからね。晩飯一回で診てあげることにしたんだ。ちょっと裸になってもらう必要があるけど、その辺は大丈夫?」
「裸って、まさか全部脱ぐの?」
「そうだよ、お医者さんだと思えば恥ずかしくないでしょ?」
「ちょっと待ってリューク。服を脱がないといけないとは聞いてない!?」
ジュエルが慌てて止めに入ったが、それでは診れない。
「言ってなかったからね。でも放っておくと君の妹死んじゃうよ。残念だけど僕には【嗅覚鑑定】というスキルがあって、その鑑定魔法でほんのわずかだけど死臭を嗅ぎ取っちゃってるんだ、何もしないなら時間の問題だよ」
「分かったわ……よろしくお願いします」
「あれ? やけに素直に信じるんだね?」
「今更疑っても仕方がないもの。日に日に妹の体が弱って悪くなっているのは分かってるの……上級回復剤でも治らないのだから、私も妹も死ぬ病だってことはなんとなく理解してるわ。全面的に信頼するので妹を助けてください」
ジュエルは深々と俺に頭を下げてきた。宿屋に入る前に、俺との関係は冒険者仲間で、友達感覚で会話するように言ってあったのだが、必死なのが伝わってくる。
「姉さんが頭を下げてお願いするくらい信頼してるなら、リュークお兄ちゃんにお任せするね」
女の子らしく、お風呂に暫く入ってないのを気にしたので【クリーン】を掛けてやる。
「リュークお兄ちゃんありがとう。お風呂に暫く入ってなかったから凄くさっぱりしたよ」
「じゃあ、始めるね。【ボディースキャン】この魔法陣にある人型がジェシルなんだけど、赤いところが何カ所かあるでしょ。そこが悪い場所だ。一番赤いここがジェシルの命を削ってるんだよ。心臓だね……血液を送り出す大事な場所が上手く機能してないから合併症を起こして肝臓や腎臓も弱ってきてる。今から全部治してあげるからね」
1時間ほどかけて完治させる。
「ありがとうリュークお兄ちゃん! 凄く調子が良くなった!」
「どういたしまして。もう走っても意識を失って倒れたり、急に胸が痛くなることもないからね」
「本当! 嬉しい! あの……リュークお兄ちゃん、良かったらお姉ちゃんも診てほしいのだけど、ダメかな?」
「ジェシル、あなた何を言っているの? 私はどこも悪くないから良いわよ」
「そんなの診てもらわなきゃ分かんないでしょ! 私だってリュークお兄ちゃんのこの魔法がとんでもない価値のある魔法だって理解できる! 冒険者仲間とかお姉ちゃん嘘ついているけど、本当は私のためにお金を払って依頼して今回ここにきてもらったんだよね? リュークお兄ちゃん、お礼は元気になったら私が頑張って稼いで払うから、お姉ちゃんも診てあげて!」
どうやらこの機会を逃すと、二度と俺の受診は受けられないと思っているようで、どうしても姉のジュエルの診察をしてほしいと涙目で懇願してきているのだ。
妹想いに姉想い……姉妹でお互いを心配し合っているどっちも優しい娘だ。
「僕は良いけど……でもほら、服を脱がなきゃいけないでしょ? それと、ジュエルは本当に僕の仲間だから、お金は取らないよ。晩御飯一食だけだよ」
俺がそう言った瞬間、ジェシルは姉の服を凄い手際で剥ぎ取りだした……。
「こら! ジェシル! 止めなさい! キャー!」
「お姉ちゃんダメだよ! 何時も無茶しているお姉ちゃんのことが心配なんだから、リュークお兄ちゃんに診てもらって! お姉ちゃんが、時々苦しそうにしているの、私、知っているんだからね!」
ジュエルはあっという間にジェシルに素っ裸にされていた……マジで凄い手際だった。
「クッ! 好きにしろ! さぁ、煮るなり焼くなり好きにすればいい!」
やっぱジュエルはクッコロ系女子だったか……あまりの恥ずかしさに言っていることがおかしくなっている。
自らベッドに大の字になって、涙目でクッコロ状態だ。
「お姉ちゃん! 何を言っているの! リュークお兄ちゃんに診てもらうんだから、ちゃんとお願いしなきゃダメでしょう!」
ジェシルちゃん、14歳にしては中々しっかりした娘だ。
それにしても……さらしを剥ぎ取られたジュエルのおっぱいは『凄い!』の一言だ。
ジェシルに怒られ、少し冷静になったジュエルは、顔を赤らめてこちらを見た。
「リ、リューク君……良かったら私の診察もお願いできますか?」
良いに決まっている!
覆面をとったジュエルはかなり可愛いのだ……嫌な訳がない!
俺の診察価値がとんでもないことを知っているジュエルは、か細い声でお願いしてきた。
「君とは仕事を一緒にするんだ。君の健康状態をチェックしておけると、こちらも安心できるしね」
「ありがとう……」
恥ずかしそうにしているジュエルだが、鍛えているだけあって引き締まった素敵なお体をしています。体が締まっている分、さらしを解いた胸がやたらと強調されて、つい目が行ってしまう。D、いやFカップは有りそうな形のいいおっぱいだ。
フィリアやナナたち貴族のご令嬢とは違い、首や足や手など、服の外に出ている部分がほんのり日に焼け、地肌の白さと微妙に色の違う日焼跡が実にエロチックだ。
俺は色白が好きなタイプだが、これはこれでかなり魅力的だ!
「リュークお兄ちゃん……なんだか私の時と違って目がエッチイ!」
「ナッ!? そ、そんなことはないだろう!」
だってジェシルちゃんは、これからって感じのチッパイだったジャン!
「まぁ……お姉ちゃん、なりは小さいけど脱いだら意外と凄いから、お兄ちゃんぐらいの男の子だと仕方ないのか……良かったらお姉ちゃんをもらってくれると嬉しいな」
「な、何を言うの、この子は……リューク君には既に可愛い婚約者が要るのよ」
「そっか、残念……素敵な人は早い者勝ちだもんね……お姉ちゃんもいき遅れないようにしないとだね。私のせいでごめんなさい……」
ジェシルに色々突っ込まれたが、ごまかして診察を開始した。
「【ボディースキャン】……あれ? ジュエル、時々胃の付近がシクシク痛まない?」
「はい。時々というか良くシクシク痛みます……今も実はかなりシクシクと痛みがあります。私もどこか悪いのですか?」
「うん。心労性のもので、胃に穴が開きかけている……これ、空腹になるとよく痛むんだよね。でも、命に係わるような病気はないようだね」
「私のせいでお姉ちゃんに苦労かけていたんだね……本当にごめんなさい」
ジェシルちゃん良い子だな。君のせいというより、暗殺業はジュエルには性格的に向いていなかったのだろう。
小柄な少女が短期間に沢山稼ぐ手段なんか限られてくる。
「ジェシルちゃん、心配しなくてもいいぞ。こんなものすぐ治せる」
「本当? リュークお兄ちゃん、頑張ってお姉ちゃんも治してね」
【細胞治療】を駆使して、心労で穴の開きかけたジュエルの胃を塞いで完治させる。まぁ、中級回復剤でも治る程度のものだったけどね。そのあとは何時ものように、魔素が停滞している個所を散らすためにマッサージを行った。ほどよく筋肉が付いた女性らしいヤワヤワな肌を堪能させてもらいました。
魅力的なジュエルにドキドキしても仕方ないよね! 『可愛いは正義!』って言葉もあるくらいだし!
「お姉ちゃん……凄くだらしない顔になっているよ」
「ふぇっ? だらしないって……」
「ジェシルも同じ顔していたぞ……ジェシルは気持ち良くなかったか?」
「凄く気持ち良かった……」
「病気の元は治療済みだから今後は調子良いはずだけど、これまで寝たきり生活が続いてたでしょ? 体力が人並みに戻るまで暫くは無理しないようにね」
「うん。分かった」
「ねぇ? 妹は完全に治ったの? もう倒れたりすることはないの?」
「うん。心臓が悪かったからね。心不全を起こして一時的に心臓が止まると、脳に血液による酸素供給がされなくなって気絶するんだよ。それでこれまで時々倒れてたんだと思う。もう普通に走ったりしても問題ないよ。時々あった胸の痛みももう起きないから安心していいよ」
「ジェシル、本当に今は調子良いの?」
「うん。これまでないほどに体が軽いの、びっくりだよ。ってお姉ちゃん何泣いてるの!」
「あちこちの診療所に連れて行ったけど、どこで診てもらってもお金だけ取られて治らなかった。高級な上級回復剤も何本も飲ませたけど、一時凌ぎにしかならなかったのよ。王都の枢機卿なら治せるかもしれないって言われたけど初見で1億ジェニーは最低かかるって言われて、正直諦めかけていたんだ……」
「私ってそれほど悪かったんだ……それにお金も一杯使わせてたんだね。ごめんなさいお姉ちゃん」
「何言ってるのよ、私にはもう家族はジェシルしかいないんだ。ジェシルに死なれたら私は1人になっちゃうでしょ……」
喜び合ってるところ悪いのだが、俺の要望をジュエルに伝える必要がある。
「この後、少しお姉さんを借りていくけどいいかな? 一応僕がパーティーリーダーなんで、依頼の件について話しておきたいことがあるんだ」
「冒険者のお仕事の話ね。リュークお兄ちゃんがリーダーさんなんだ、お姉ちゃんをよろしくね」
部屋を出て、ジュエルが借りている部屋に行き、そこに待たせていたサリエと合流する。
「リューク様、本当にありがとうございました」
「ああ、気にするな。ラエルの件が終わるまでは宿屋で待機しておいてくれ」
「ん、治った妹を連れて逃げるかも?」
「そんなことは絶対しないわ! 私がどれだけ感謝していると思っているのよ」
「この件が片付いたら、僕たちは学園に通うので拠点は王都になる。ジェシルちゃんにも近いうちに仕事の関係で王都に行くことになると伝えておいてくれ」
「分かりました。リューク様が学園に通っている間、私の仕事がないときは何をしていれば良いのでしょう?」
「仕事がないときは好きにしてくれていい。以前のように冒険者として活動していてもいいしね」
「分かりました……私だって暗殺者になりたくてなったのではないのですよ。貴族に襲われそうになって、ついそいつと、黙ってニヤニヤ横で見ていた侍女を殺してしまったのです。例の毒針を刺したので表向きには心不全での病死になっていますけどね」
両親を貴族に殺され、別の貴族の依頼中に、主人の暴挙をにやけ顔で眺めていた侍女を怒りのまま殺してしまい犯罪者になってしまった。貴族自体は殺しても正当防衛が適用されるのだが、見ていただけの侍女を殺したのが拙かったのだ。
彼女……相当貴族に対して思うところがあるようだ。
ジュエルにはラエルの件が片付くまで宿屋待機を命じ、サリエと屋敷に帰宅する。
昼には降り出すかと思っていた雨が、夕方になって降り出した。
宿屋からの帰宅途中に少し雨に濡れたので夕飯前に入浴を先に済ませた。
恥ずかしいくせに、サリエは自分から護衛の為だと言って一緒にお風呂に入ってくる。自分からきておいて、モジモジと恥ずかしがるサリエは超可愛い。
「ん、リューク様……また髪を洗ってもらってもいい?」
「勿論良いよ。洗ってもらった方が気持ちいいしね」
今日は自分から甘えてきた……勿論可愛いサリエとイチャイチャするのは大歓迎だ!
その日の晩、ラエルから明日遊びに来たいとメールが届いたので了承した。
明日が対決になりそうだな。
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お読みくださりありがとうございます。
2019年2月18日大幅改稿しました。
某サイトではジュエルちゃんの生着替えシーンの挿絵を貼っています。
気になる方は是非覗きにいってください。
カクヨムさんも画像の貼り付け機能あれば良いのにね……
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