最終章 天暗の仔

登場人物&あらすじ

劇的な簒奪劇から端を発した、前代未聞のお家騒動から一年。


栄生利重。

心に負った傷を癒せぬまま、江戸で厳しい政情に直面していた。

城に討ち入られるという失態。嫡流簒奪者の汚名。一太刀を浴びた嘲笑。

清記達による討ち入りが、盤石と思われた利重の支配に、一つの楔を打つ結果となった。


あの男は狼だった。邪魔する者は噛み殺し、ただ私だけを喰おうとする狼。

その目に、私は恐怖した。



平山雷蔵。

東北・雄勝藩にて憂悶としていた。

雄勝藩への恩を返す為、悪人を斬るだけの日々。

父を失い、故郷を失った雷蔵に残されたのは、平山家嫡流に受け継がれる銘刀・扶桑正宗。それを最大限に活かす事が出来る念真流の技。そして利重への激しい憎悪だけだった。


許すなど、どうして出来ようか。

この身は、もはや一族の無念を晴らす為だけにある。

それを呪いだと言われようが構わない。むしろ、それすら残された形見ではないか。

心など、とうに死んでいる。



父から子へ引き継がれし天暗の宿星は、更なる贄を求めようというのか――。



超絶怒涛の最終章!




<雷蔵一味>

平山雷蔵:元夜須藩士。念真流総代

畦利貞助:元目尾組の忍び

羽合掃部:元夜須藩士

薊:元目尾組。雷蔵の密偵となる

伊刀児:清記に恩義のある山人


<栄生家>

栄生利重(左近衛権少将):夜須藩主

静照院:利景の妻。京極大膳太夫の姉

常寿丸:利景の嫡男


<執政府>

相賀舎人:参政

河井主膳:中老

吉見美作:若年寄

坂田忠七:山林奉行


<夜須藩士>

江上八十太夫:側用人

斉木利三郎:丑之助の親友。夜吼党指図役

牧文之進:元犬山派。利重の側近

真部直記:馬廻組。利重に見出される

磯田文六:内住代官所筆頭与力

山辺室衛門(牟呂四):元山人、山人奉行

佐々木三郎助:元平山家執事。今は郡方の役人


<黒河藩>

伊達継村(蝦夷守):黒河藩主

片倉藤四郎:側用人


<雄勝藩>

小野寺忠通:雄勝藩主。通称〔太公望〕

藤足趙教:雄勝藩の御用商で、松戸屋の主

廬江長之助:絵師。趙教の食客


<深江藩>

松永久臣(弾正忠):深江藩主

松永外記:深江藩首席家老

山背久蔵(久右衛門):外記の幕僚


<幕府・朝廷>

田沼意安(主殿頭):濁流派。幕府老中

松平定成(諏訪守):清流派。清川藩主

酒井靱負:濁流派。幕府老中


<浮羽平山家>

平山幻舟:浮羽平山家の当主。黒河藩に仕える

平山六郎:幻舟の子

平山孫一(皆藤左馬):幻舟の弟子。内住郡代官、逸死隊取締役


<柏原党>

柏原夢十:柏原党の頭領

柏原市助:夢十の次男


<その他>

佐野甚五:始末屋


<故人>

平山清記:夜須藩御手先役にして、内住郡代官

栄生利景(左近衛権少将):元夜須藩主

栄生帯刀:利景、利重の叔父で、若宮庄邑主

添田甲斐:首席家老。利景の学問の師

犬山梅岳:兵部の養父。かつて首席家老だった

堂島丑之助:京都詰めの伊川郷士

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