タイムトラベラーの友達

作者 海野しぃる

70

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★★ Very Good!!

確かにSF的な舞台設定。でも、主眼は男女の擦れ違いだと思う。恋愛感情的な擦れ違いではなく、別種の擦れ違い。それが捉え所のない余韻を醸している。不思議と心地良い余韻です。
星の数は、短編にはMAX2つが信条だからです。
別作「シン土方歳三」とは趣きが違いますね。微妙に焦点を外したアプローチが両作品に共通しているように感じます。他の作品は未読なので何とも言えませんが、作者の特技かもしれません。

★★★ Excellent!!!

タイムトラベルもの。
この手のお話は、ちぐはぐだった時間軸のつじつまが噛み合ったときにカタルシスを得るものですが、そうしたセオリーを踏襲しつつも、微妙に外して妙味を引き出した良作です。

というのも、タイムパラドクスの一つとして、不思議な時計が登場するのですが、これが出自不明なんです。
未来の彼女が授けてくれた、特別な時計。ではその彼女はどこから手に入れたのかというと、成長した主人公が未来の彼女にプレゼントしたもの…という。
この時計がいつ作られたのか判らないまま、時間を輪廻しているんです。
作者はあえてそれを放置しました。作中にも書いてありますから、わざとです。
あえてパラドクスを残しておくことで、レトロなSFの味を出そうとしているように感じました。
主人公と彼女の出会いが明かされ、その直後に訪れる結末もまた、暗転入滅して終わります。彼女のタイムトラベルの秘密も明かされません。
でも、これはこれで良いのです。
だって、SFは空想科学です。空想できる余地が欲しいじゃないですか。

★★★ Excellent!!!

独特の台詞回しから醸し出される、本作特有のリズム感を感じました。
ゆるゆると話す女性と、畳みかける男。

その二人の間に挟まれて、小道具として第三の立ち位置を見せる「時計」

この三者が絶妙に絡み合い、まるで本作を読むこと自体が、時間感覚の齟齬を生じさせるかのような、不思議な感覚に陥りました。

そして、そんな不思議な空間の中でも確かなことは、間違いなく二人は友達であり、それ以上の存在にもなりうるだろうということでしょうか――。

★★★ Excellent!!!

時の旅人とされる一人の美女。
この人が人間なのかどうか分かりませんが、ただ何故か主人公の青年に会ってよかったと思える存在なのですね。
何でこんな事を描いたのかと言うと、実はよく分かりません。ただ二人の出会いは、何か運命的な物を感じられずにはいられません。

そう思える程、この二人の物語はどこか暖かい。そう感じる作品です。

★★★ Excellent!!!

 最初はホラーのような少し気味悪い雰囲気。
 それから懐かしい片思いの相手に会ったような。
 最後に――――
 僅か数千字に様々なエッセンスがぎゅっと詰まった良質なSFです。
 (この作者さん、カクヨム、ネット投稿を心から楽しんでるな……(-_-).。o○0〇