目撃者4,5
事故の夜に目撃者は2人いたんだ。
2人ですか?
そうだ。2人とも地元の人間で、仕事帰りにいつも同じ時間帯に事故現場近くのバス停で降りるそうだ。2人とも彼が赤信号の時に交差点を渡ったと話していた。
やはり事故ではなく自殺の可能性があるということですか?
これはあくまで私の推測なんだがな、警察は事故で片付けているが、わざとあの時間帯を狙って、2人が確実に見ている時に交差点を渡ったんじゃないかと考えている。
わざと2人に見せたということですか?
そうだ。
それは、交通事故で運転手に罪がないことを証言してもらうためってことですか?
そうだ。1人じゃなくて2人が見ることでより有力な証言になるからな。
、、でも、もし自殺ならもっと、周りを巻き込まずに確実な方法があったんじゃ、、
それも推測なんだが、まず事故に見せる必要があった。そしておそらくわざと確実に死なない方法を選んだんじゃないだろうか。
・・死にたくなかった。
彼はおそらく生きたかったんだと思う。
交通事故で死ななければ、生きようと思ってた。。でも、腑に落ちないです。後遺症が残る場合もありますし、、夜に行動を取ったのも意味があるんでしょうか。
んー、おそらく二次被害を避けたかったんじゃなかろうか。あそこは夜だと人が少ないからな。これも推測の範囲を超えないがな。もしくはそこは特に意味はないのかもしれない。後遺症に関してもそこまで考える余裕はなかったか、そうゆうことを気にしない性格だったのか。
・・もし自殺なら、やはり病気が原因でしょうか。それに事故に見せる必要というのは、
前に話したが、彼は事故の一ヶ月前に超能力の動画をユーチューブに投稿している。今まで家族以外に見せたことのないものをだ。病気も関係していると思うが、超能力も関係していると私は考えている。
今まで超能力を隠してきて、病気になって、社会復帰して、超能力の動画を上げて、自殺した・・
遺書がなかった件だが、病気が原因なら遺書に残すんじゃないだろうか。彼はとても真面目な性格だったと聞いている。遺書を書かなかったということは、偶然の事故に見せること、つまり書けない理由があった。
・・超能力が原因で死ななければならなかったのだとしたら、それは家族に知られたくないかもしれません。
超能力を持つがゆえに死ななければならないことがあったということは、超能力にはそれなりのデメリットがあったという考え方はできる。
ことが起きたのは病気になってからですから、病気になったことで超能力を持つ人のデメリットの部分が大きくなって今までは大丈夫だったことが大丈夫ではなくなった。超能力者が持っているデメリットって、、
他にも超能力者がこの世にいて、そのデメリットが超能力者共通のデメリットであるのならば、それが隕石落下に関係している可能性はありそうだ。
はい。今考えられるのはまず超能力者がいるという前提、そしてその力にはデメリットがあるということ、そして隕石落下が超能力者によるものだとしたら予兆のない隕石落下も説明ができること、最後にその力を使って隕石を落下させるとしたら二通りのフローがある。一つは意図的にそれを実行すること。二つ目は超能力者の持つそのデメリットが原因で隕石を落下させてしまうこと、といったところでしょうか。
そうゆうことだ。だが彼はもういない。彼からこれ以上のことを聞くことはできない。他の超能力者を一刻も早く探し出して、その真相を突き止めなければならない。
はい。もう時間はありません。急ぎます。村上さんたちにも団長から急ぐよう言ってもらえませんか。私が言うと角が立ちそうなので。
わかった。今の話も含め、急ぐよう伝える。
ありがとうございます。それでは失礼します。
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