廃憶

彼女の記憶は少しずつ蝕まれていった。


彼女は自分の意識とは別の思考があって、それが自分の意識と同化して暴走すると言っていた。同化するので自分ではないわけではなく、それでいて自分の思考とはまるで別のところからやってくるものだから止めようがないと言っていた。


同化するということは本人では気づくことが難しいということで、ましてや彼女は子供、自分をコントロールしたり客観視することも難しい。


副作用はないと言っていたが、あの力の代償は間違いなくあった。

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