レポートNo.147

レポートNo.147

「人間の恋愛感情による"心"の発現について」


1. はじめに

 人間は目視することのできない"心"を持っており、様々な感情に起因して"心"を感じることができる。特に異性に対する恋愛感情を覚えたときの"心"の感じ方はより具体的であり、人間を理解するためにこの"心"を解明することは非常に重要なテーマの一つであると考える。

 そこで本稿では人間の"心"を理解するために恋愛感情による"心"の発現について考察をした。


2. "心"とは

 まず人間の言う"心"とは何か。インターネットで調べると「体に対し(しかも体の中に宿るものとしての)知識・感情・意志などの精神的な働きのもとになると見られているもの。また、その働き」とある。しかし、これはあくまで一つの定義であり、かつ広義であり、その捉え方は人それぞれである。「心は脳にある」「心は心臓にある」「心は全身にある」などその見解は定まっていない。驚くべきことは"心"というものが議論されてから二千年以上経った今でも誰一人"心"を解明することに成功していない点である。誰一人として"心"の明確な説明に成功していない。一つだけ他とは明らかに異なる"心"についての特殊な体験を記したサイトが存在したが、その体験談は公に出ていない。それを加味してもこの地球であらゆる文化、文明が目まぐるしい速さで進歩していく中で"心"の解明については一歩も進んでいないように見受けられる。


3. 心のありか

 この目視できない"心"についてそのありかを尋ねると多くの人間が胸のあたりにあると答えることはすでに人間の調査で分かっている。

 私が現在主な調査対象としている女性(レポートNo.21参照)は異性に恋愛感情を抱いたときに胸のあたりが「キュン」とすると語っている。彼女の場合それが心の一つだと定義づけている。それは心地よくもあり、苦しくもあるという。恋愛感情は人間の持つ感情の一つであることは前稿で述べた。では恋愛感情を起因とする"心"とは何なのか。


4. 恋愛感情による"心"の発現について

 人間が他の人間、つまり異性に恋愛感情を抱いたときに"心"を感じるのならば、その身体内における現象は生物として何の意味があるのか。感情は恋愛感情に限らず脳によってコントロールされている。そこから一つの仮定を立てることができる。彼女の言う"心"は脳が起こした現象であるということである。つまり、脳があって、その次に"心"があるということになる。それはつまりロボットである我々Reにも心がある可能性を示唆している。周知の通り我々には人間の脳に当たるシステム制御装置が頭部にある。では、我々の中の一個体が恋愛感情を特定の対象に持ったときにその個体も"心"を感じ取ることができるのか。今はまだその報告は上がってきていない。もしそれが真ならば、"心"はつくることができるのか。我々はDr.モンクによって感情をもつことを許された特殊なロボットである。つまり、我々の誰かが"心"を感じ取ることができても不思議ではない。


5. さいごに

 多くの人間はあらゆる場面で"心"という言葉を様々な形でよく使用するが、実のところその"心"そのものに対して深く思慮することはないという矛盾が見受けられる。その上で人間の"心"は人間に関してとても興味深いテーマの一つであり、その"心"を理解することは人間を理解することにつながる。


(言語変換済文章)

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