第11・5話

夏休みのある朝、アパートで紗理奈が


「勇太!制服だけじゃ駄目だから、吉祥寺で勇太のカワイイ服を買いに行こうよ。一応女の子なんだし。」


と言って来た。


「あら、良い事言うじゃな~い紗理奈ちゃん。あたしもこっちに来てカワイイ服を着てる子が

居て欲しかったのよね~。」


とガラナが言った。


「え~いいよ。俺男だしガイバーンにまた

マテリアルチェンジして作って貰うから。」


「忘れたの勇太?ガイバーンさんに任せると、また変なコスプレさせられちゃうよ。」


「変なとは失敬な!任せろ勇太!良い物を見つけてあるぞ!」


とブレスレットのガイバーンが言った。ヤバい!


「い、行きます・・・・。」


こうして俺と紗理奈は、吉祥寺の街に行く事に成った。


「ここからだと○1が近いから

最初はそこにしよ!」


と紗理奈が言った。○1の近くを歩いていると、北条さんに出会った。余り出会いたくない人に会ってしまった・・・・


「あ!中山さんと空渡君!どうしたの?」


と北条さんが言った。う~、ヤバい!


「勇太のカワイイ服を買いに来たの。」


と紗理奈が言った。言わなくていい事を!


「え!空渡君のカワイイ服を!」


と目を輝かせて言った。大変ヤバい事に成って参りました。


「私に任せて!空渡君はカワイイ服と言うより、格好良い服の方が似合うわ!」


と水を得た魚の様に話した。

これは逃げた方が!と思ったら

腕を左右で抑えられてた!


「逃がさないわよ。」


と北条さんが言った。俺の人生もここまでかぁ~。そして〇1に連行された後は、なすがままなされるがまま、二人に着せ替え人形に去れてしまった・・・・

そして


「この服、肩が紐で止めて胸元がVの字に開いて胸が見えそう難ですけど・・・・それに下がスカートでなんかスースーするんですけどぉ・・・・」


と俺は消えそうな心の火を奮い起こし、何かクレームを出した。


「仕方ないわね~。」


と北条さんに見せブラを着けられた。


「良いじゃな~い。」


と突然ガラナに代わって、ガラナが言った。


「やっぱりガラナさんの方が似合う!」


と紗理奈が誉めていた。最初からガラナにしてくれ。


「あら、勇太にした方が恥ずかしがって面白いのよねぇ。」


とガラナが言った。北条さんと紗理奈も首肯いていた。

コイツ等~!


「それじゃこれを買ってこのまま帰りましょうか。」


と北条さんが言った。え!?

北条さんが会計を済ませて、店員さんと話していた。


「じゃ、行きましょうか。」


と北条さんが言った。え!?


「ガラナ!代わって呉れよ!」


と俺は言った。


「良いじゃな~いたまには。」


コイツ等~!ぐぬぬぬぬ!

外に出て歩いていると矢鱈と目立つし、早く帰りたい!ふと、見るとリディアンさんに似た人が歩いていた。


「あ!ちょっと待って!」


と俺は追いかけた!でもヒールにこの格好じゃ走り難いし、人混みで追い掛け難い、そのうち見失った。俺は息が上がって止まって居ると、二人が追い付いた。


「どうしたの!急に走り出して!」


と紗理奈が言った。


「向こうの知合いに似た人が居たんだ。」


と俺は答えた。


「空渡君の様にこっちに来たのかしら?」


と北条さんが言った。


「解らない、でも彼女は魔術師だからもしかしたら・・・・」


と俺は言った。


「特徴を教えて呉れれば私達も探すの手伝うよ。」


と紗理奈が言ってくれた。

暗く成る迄二人にも探して貰ったけど、結局見付からなかった。


「二人共ありがとう。」


と俺は御礼を言った。


「あの人が見付かればもしかすると、帰れたかも知れないのにね。」


と紗理奈が見付からなかった事に、ホッとした様な顔をしていた。


「でも良いわ、空渡君のその格好を存分に観賞出来たから。」


と北条さん満足気に言った。


「は!しまった!忘れてた!

俺、この格好でずっと居たのか!」


と急に恥ずかしく成った!


「今頃気付いたの?」


と北条さんが嬉しそうに言った。


「帰りもこの格好で帰るのかぁ・・・・」


「仕様がないねぇ、帰りはあたしが代わって挙げるわよ。」


とガラナが代わって呉れた。

そして俺達はそれぞれの家へ帰った。

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