第73話 VSミックスジュース&ミスコン

 さて、目の前に現れたボスをまずは解析して見る必要があるな。

 エネミー名はミックスジュースだ。HPゲージはさほど多くないが、特殊条件をクリアしなければダメージを与えられない。

 1つの大きめのグラスに2つのストローが入っているという形状から、同時に吸わねばならないと推測できる。

 よくみれば、このストローは別個じゃなくて、本体はつながっているように見えるからだ。

確かこのてのストローって片方を吸うともう片方にもとかいう仕様じゃなかったか。


「あ、秋! い、いくよ」

「お、おう……」


 気持ちの整理はついてないけど、何時つくのかもさっぱりわからない。ここは勢いで言ってしまったほうがいいということか。

 強く意気込んだ智愛を見て俺も覚悟を決める。

 そしてアイコンタクトでタイミングを図りつつ、ストローに口をつけてボスに対してダメージを与え始めた。

 このくらいの強さでいいのか、これじゃ勢いが強いのだろうか。

 やばい、経験がなさすぎてさっぱりわからない。

 頭の中グルグルしてきた。


「秋、ちょっと強ぃ」

「す、すまん」


 ていうか、なんであいつもあいつで一気に行こうとしてるんだろう。

 途中で休憩とかしてもいいと思うんだけど、どうすればいいんだ。

 体感的にとても長い時間が続き、実際に確認するといいとこ1分たったかたってないかという現実が過ぎた。

 そして、ボスにトドメが刺されて見事に勝利した。でも、これは経験値が入ったのだろうか。

 俺達はひとまず、さっさと食べるものを食べ終わらせて、妙にニコニコした店員に代金を払って教室をあとにした。


「あぁ……なんか妙に疲れた」

「本当ね。なんでこんなことになったのかしら」

「文化祭の悪ノリというやつじゃない? ま、まあ、思い出にはなったな」

「そ、そうね……それじゃあ、そろそろ時間になっちゃうし教室戻るわよ!」

「お、おう……俺も準備を……嫌だなぁ」

「やるからには優勝しなさい!」

「無理だって……」


 このあと、智愛を教室まで送ったあとに、俺はミスコンの準備を済ませて長い活動が始まった。

 俺はこのミスコンについての記憶が、すぐに朧気になって思い出せなくなったし、思い出そうとも思わなくなった。

 ただ、ひとつだけ結果を言えるとすれば、何故か2年連続優勝するという自体になったらしい。


 そして賑やかだった学校の片付けも終わって、普通の日常へと戻っていった。

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