第11話 自宅に帰りました
「二つ会合しただけで一日が終わったな」
「そうですね。初めて
俺達は屋敷に戻り、リビングでまったりとくつろいでいた。
俺の向かいでは奏と神奈がリアを挟み、リアのぬくもりに蕩けきっている。
うらやま……もとい俺も加わりたいが、流石に真似するわけにもいかないので、俺は我慢するしかない。
「任務はいつでも受けられる。明日いこ?」
「そうですね。明日こそは狩りに行きましょうね」
奏は自然にリアの頭に手を伸ばし、猫耳を撫でて堪能していた。
羨ましい!
「そういえば神奈、魔通の儀をやって何適正になったんだ?」
俺は意識を逸らすため神奈へ問いかける。
神奈が戻った後すぐに応接室に案内されたため、神奈が何適正になったのか聞いていなかったのだ。
日本から来た俺達がレア適正であるため、もしかしたら神奈もレアではないかと期待している。
「私は
神奈の適正は攻撃適正だったようだが、本人は喜んでいるみたいだ。
適正に関してはヘクターから話を聞いたようで、それに関して俺と同じ疑問を持っているらしい。
「神奈もバランスが悪いと思うか。どうやって適正が決まるか分からんが、どんな理由で1%以下になっているかは気になるな。もしかしたら、アテナの言っていた世界の秘密に関係あるのかも知れん」
教会に行き、昨日の夜のあった事が夢ではない事が確認できた。
アテナの紋章がそれを証明しており、アテナはそれを分からせるためにこの紋章を刻みつけたのだろう。
そうなると、アテナの言っていた世界の秘密が現実味を帯びてくる。
魔法に関しても秘密があるとアテナは謳っていたし、世界の秘密を暴けばその理由も分かるのかもしれない。
「兄さん。ずっと気になっていたのですが、そのアテナに会ったというのは一体何なのですか?教会でも話は聞いていましたが、もう少し詳しく教えて貰いたいです」
「私も神と言う存在には興味がある。詳しい話を聞きたいものだ」
「私も。アテナ様とどんな話したの?」
三人から説明を要求する声が上がる。
そういえば朝もバタバタしていたし、この事に関してまともに話す機会は無かった。
皆の意見も聞いてみたいし、一度情報を共有したいとは思う。
「話すのはいいが、ミアにも意見を貰いたい。今ミアは夕食を作っているから、夕食の時に話そうと思うがいいか?」
「私も夕食?」
リアが一緒に食べるの?と言うかのように問いかけてくる。
もしかして、何か不都合があったのかもしれない。
「何か用事でもあるか?それなら今から話すが」
「用事は無い。でも、私も晩御飯ここで食べていいの?」
どうやらリアは、単純に自分が夕食にお呼ばれしてもいいのかと疑問に思っていただけのようだ。
別に呼ばない理由なんてないし、リアだけ仲間外れになんてする訳がない。
「もちろんだ。と言うよりミアもリアの分の夕食を作っているから、食べていってくれると助かる」
「じゃあ一緒に食べる」
「いっぱい食べて言ってくださいね。遠慮なんてしなくていいですから」
とても嬉しそうにしているリアを見て、奏も嬉しそうにその頭を撫でる。
もはや奏はリアの虜となってしまっているらしい。
とまる事のない奏の可愛がりに、リアに嫌気がささなければいいが……。
そんな心配をしながら、俺たちはミアの夕食を待つのだった。
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